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2010年6月11日金曜日

アイアンマン2

(IRON MAN 2)

 不死鳥の如くカムバックを果たしたミッキー・ロークの怪演。やっぱりただのイケメンだった頃よりも、今のオヤジなミッキーの方が味わい深い。できればもっと活躍してもらいたかったデス。
 主演のロバート・ダウニーJr.は前作に続いて主役ですが、もうトニー・スターク役──「超セレブで自堕落なスーパー・ヒーロー」──がピタリとハマっております。

 アメコミの映画化作品の中では成功している部類と申せましょう。
 ジョン・ファブローは役者としてよりも、監督としての手腕の方が確かなようで。『ザスーラ』もDVDで観たけど面白かったデス。
 でもファブロー監督はやっぱり役者も忘れられないのか、チョイ役で出演しております。ちょっと間抜けなエージェントの役で笑いを誘っていた。なかなか微笑ましい(笑)。

 全体として〈アベンジャーズ〉構想に乗っている企画なので、『アイアンマン』>『インクレディブル・ハルク』>『アイアンマン2』と連続して観ると、着々と〈アベンジャーズ〉結成に向けて計画が進行しているのが判ります。
 マーベル・コミックスではこの後も『雷神ソー』の映画化も企画しているらしい──例によって、エンドタイトル後のエピローグがね(笑)──ので、早くこちらも製作して戴きたい。
 『スパイダーマン』もどうやら三部作が完結し、次作からは新シリーズでの映画化らしいので、改めて〈アベンジャーズ〉に組み込まれるようになるのでしょうか。
 すると他にも『キャプテン・アメリカ』を映画化しなければならないが、大丈夫でしょうか。

 さてすっかり「パワード・スーツ」が市民権を得て、アニメにすることなく実写で映像化できるようになりましたが、特撮も進化したものですねえ。昔は日本の特撮ヒーロー番組くらいでないとお目にかかれなかったような作品が、大作ハリウッド映画として堂々と観られるとは。
 今回はメカ対決の見せ場が前作よりも多くなって、特撮ファンは必見でしょう。

 まずはミッキー・ローク演じる悪役の自家製パワードスーツ〈ウィップラッシュ〉ですね。
 前作でもアイアンマン・スーツは、洗練された〈マーク3〉よりも、手作り感溢れる〈マーク1〉が味わい深かったように、〈ウィップラッシュ〉も初号機が一番、いい感じ。 あのモナコのサーキットに乗り込んでくるときのミッキー・ロークの装備ですが、かなり露出部分が多くて、攻撃にのみ特化したデザインなのがイカす。ファブロー監督は〈マーク1〉が一番好きと公言するくらいなので、この〈ウィップラッシュ〉初号機への演出も気合いが感じられます。
 やはり両手から電撃ワイヤーを繰り出しての攻撃の際には、是非こう云いたいものデス。

 「ザクとは違うのだよ、ザクとはッ」

 後にクライマックスでは〈ウィップラッシュ〉も遂に完全なパワードスーツとなって登場しますが、最初の登場時の方が衝撃的でした。
 さらに〈マーク2〉を改良した〈ウォーマシン〉とか、ライバル企業の開発した遠隔操作ロボット軍団の登場とか、メカ好きには堪らんでしょう。
 実に惜しみない。
 一方、アイアンマン・スーツも〈マーク4〉、〈マーク5〉、〈マーク6〉と負けずに惜しみなくアップグレードを重ねていきます(笑)。
 個人的にはコンパクトな〈マーク5〉が好きです。やっぱり装着シーンが一番カッコいいですし。

 特撮への熱の入れようも凄いが、キャラの描き方も不自然にならず、非常に巧いです。敵味方ともに親の代からライバルだったとか、天才児とモテはやされても、父親はまだ越えられないとか(先代のスターク社長はどんだけ天才だったのだ)。
 サミュエル・ジャクソンも前回はエピローグのみの登場でしたが、今回は出番もグッと増えております。楽しそうだなあ。
 将来的に『アベンジャーズ』が映画化されるときには、サミュエル・ジャクソンの指令でロバート・ダウニーJr.やヒュー・ジャックマンが出動することになるのでしょうか。

 ミッキー・ロークを利用しようとして、逆に利用されてしまうライバル企業の社長がサム・ロックウェル。『月に囚われた男』ではシリアスな演技でしたが、一転して今回は実にテンション高い軽薄な男を演じております。巧いですね。
 ドン・チードルも忘れてはいけませんね。この主人公の相棒役だけは前回のテレンス・ハワードから配役が変わってしまいましたが、特に違和感はありませんです。『クラッシュ』とか『ホテル・ルワンダ』等の社会派作品に多く出演している演技派が、こんな特撮映画にもちゃんと出演してくれるとは嬉しい。
 そしてスカーレット・ヨハンセン。
 敵か味方か判らぬ謎の美女という実においしい役です。特に今回のスカヨンのアクション・シーンは短いけれども印象的です。
 この映画はスカーレット・ヨハンセンにグゥイネス・パルトロウと、仕事のデキるキャリア・ウーマンに牛耳られているような印象があり、野郎共はどいつもこいつも性格が破綻しているか、逆に真面目すぎるかという両極端ばかりである。
 常に肝心な部分は女性が握っているというのが隠れたテーマなのか(笑)。

 こうして並べてみると、あまりに豪華な配役。俳優へのギャラだけでも制作費は鰻登りだろうと思われるのですが、ちゃんと回収できるのか心配ですわ。
 なんとか『マイティ・ソー』の制作がコケないように……。


●余談
 と、思ったら既に『マイティ・ソー』の撮影は進行中でしたか。もう来年公開決定か。
 主役のソー役がクリス・ヘムズワース。あのリメイク版『スタートレック』でカーク船長のパパだった人ですね(出番は冒頭だけだったが)。
 でもって監督がケネス・ブラナー。
 共演にアンソニー・ホプキンス(オーディン役)や、ナタリー・ポートマンの名前も挙がっております。浅野忠信も出演するってホンマかいな。
 今年の某ギリシャ神話映画の神々も凄かったが、来年の北欧神話も負けておりませぬなあ。




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