2010年6月13日日曜日

マイ・ブラザー

(BROTHERS)

 そうそう。ジェイク・ギレンホールは『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』などよりも、こういう映画にこそふさわしい。ミニシアターの単館上映しかされないアート系の映画な(失礼)。
 そういえば共演がトビー・マグワイアとナタリー・ポートマン。三人とも大作にも小品にも出演している演技派揃い。そういう意味では、非常に安心できる配役ではありますか。
 特にトビー・マグワイアの役作りが素晴らしい。病的なまでに減量したおかげで凄みが漂っています。
 兄弟の葛藤、父親との断絶、美しい兄嫁。
 なんだか『エデンの東』みたいですねえ。ジェイク・ギレンホールはジェイムズ・ディーンか。
 ついでに頑固な愛国親父はサム・シェパードである。なんかもう鉄板な配役ですな(笑)。

 少年時代から何かにつけて優等生の兄貴と比較される落ちこぼれの弟。
 兄は軍人としてアフガニスタンに派兵され、行方不明に。だが葬式まで出したあとに奇跡の生還。
 しかし兄の人格は、もはや以前のものでは無くなっていた……。

 感動のストーリーではありますが、これもまたハリウッド式リメイク作品だと知ってビックリ。元ネタはデンマーク映画だとか。『ある愛の風景』(2004年)か。観ておりませんデス。

 かつてはデンマーク軍もアフガニスタンに派兵され、少なからず犠牲者を出したとか。そういった実話に基づく物語である点が、なかなか興味深いです。
 このリメイク版でも設定に変更はないが、米軍がアフガンに派兵されても、あまり意外ではないのがちょっと辛いか。むしろ米兵がアフガンで酷い目に遭うというのは、非常に良く理解できるシチュエーションなのですが。

 不可解なのは一部の作品紹介で惹句に「衝撃のエンディング」が云々、と書かれていたことですね。私には非常にオーソドックスで堂々としたエンディングに見えました。
 特に「衝撃の真実」が明らかになるわけではない。と云うか、ドラマ的にはトビー・マグワイアがアフガンでどのような過酷な体験をしたかというのは、同時並行的に描かれるので、特に不思議でも何でもない。
 オリジナル版ではそれがラストで明かされる展開だったのでしょうか。

 もしそうだとしたら、私としてはこのリメイク版の方が骨太なドラマであると云わざるを得ませんです。特に隠し事も何もせずに、淡々と事実を積み重ねながら異様な迫力を醸し出す演出力。
 監督はジム・シェリダン。アカデミー賞常連の名監督です。『マイ・レフトフット』『父の祈りを』『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』と、名作揃いであることは判るが、かなり私の守備範囲外ですので観ておりませんが(汗)。
 ひょっとして、このリメイク版の方が出来がいいのかしら。

 まぁ、それだけに意外だったのはエンディングの始末の付け方でしょうか。
 衝撃の真実という訳ではありませんが、題名が『マイ・ブラザー』であり、兄弟愛がドラマ的にもかなり比重を占めていただけに、結末はトビー・マグワイアとナタリー・ポートマンの夫婦愛の方向で完結してしまったことでしょうか。
 別にそれでもいいんだけど、『マイ・ブラザー』なんだから、ジェイク・ギレンホールにもラストに出番を作って欲しかったデス。ドラマの前半はかなりの部分が、出来の悪い弟視点での進行だったのに、ラストで忘れ去られたかのような扱いが不満と云えば不満かな。
 でも久々に重厚なドラマを見せていただきました。


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