しかも、まったく別設定の物語であると切り離すこともせず、オリジナル宇宙からスポックがやって来たり──そもそもの原因がオリジナル・スポックが時空を掻き乱した所為だったり──するあたりに、オールドファンへの配慮を感じます。
それにしても各キャラの配役がツボを押さえた感じですねー。
特にザッカリー・クイントの若きスポックがクリソツ。
新旧スポック対面の図がいい。
他にも、見た目よりもドラマ上の演出で──このキャラにはコレを云わせる、コレをやらせる──、巧い具合に似せているのがいい。私はスールーが不自然にならずにチャンバラする流れに持って行ってくれた展開にうなりました。
あとはサイモン・ペッグのスコティね。
「スコティ、なんとかしてくれ!」
「ひとつ方法がありますが、船体へのダメージが……」
「いいからやれッ!(Do it! Do it! Do it!)」
──と云う、苦しいときのスコティ頼みな展開がキチンと継承されていたので満足です。
それにしても守らねばならない約束事の多いドラマだよなあ。ここまで縛りがあると作る側も大変だろう。
オリジナルのTVシリーズの(予算の都合上、仕方のない)チープなデザインを、何とか継承しつつリニューアルしようという美術スタッフの苦労が感じられます。特にあのTシャツ風ユニフォームが、それなりにカッコよくなっていたのが楽しかった。
しかしひとつ字幕で誤訳ぽい部分があったような……。
若きスポックが──復讐したいという激情を押さえきれないと──苦しい心情を父サレックに吐露するシーンで、サレックのセリフがね……。
「お前の母上ならこう云っただろう。復讐などするな、と(Don't try it)」
いや、そこは違うだろ。
復讐の是非を云うのではなく、感情の発露を躊躇うなとアマンダなら云ったのではないか──というニュアンスなのでは無かろうか。違うのかな。
このあたりの若きスポックの葛藤と、老境に達したオリジナル・スポックが論理とユーモアを上手に使い分けている対比が巧かった。
こうなるとオリジナル・カークも出して欲しいのだがなあ。
早々に続編製作も決定したそうなので、是非お願いしたい。
この新メンバーでTVシリーズの〈五年間の調査飛行〉やってもらいたいですねえ。もう最初から平行宇宙であると判っているので、同じネタでどこまで違うドラマになるのかが興味深いのです。
ラストの旧テーマのメロディをリニューアルしたスコアがいいです。
ここしばらくスタトレというと、ゴールドスミスのメロディが使われておりましたが、やはりSTOは「あのメロディ」ですね。
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