……ビジュアルだけだった orz。
何と云うか、本当に「絵」はすごいのですよ。デザインのセンスといい、アートワークの素晴らしさといい、期待を裏切らない出来ではあります。
その分、脚本がおざなりですが(泣)。
ティム・バートンが惚れ込んで制作を引き受けたというのも頷けます。監督のシェーン・アッカーの才能は大したものです。
しかし誰か助言くらいしてやれなかったのか? もう少し脚本を練れと。
八七分という短めな尺ではあるので、もう少し長くなっても改善の余地はあったろうに。
アーティスト気質の監督がワンマンな体制で映画を作るとこうなるのでしょうか。
邦画でも『キャシャーン』とか『GOEMON』とか、ありましたが。アレと同じですわ。ビジュアルは文句の付けどころなどない。しかし……。
まあ、紀里谷和明と比較しては可哀想か。
そこまでヒドくはなかったからな(笑)。
だから非常に残念でなりません。これはとても残念な映画なのです。
このキャラクターならもっと他にも使い道があるだろうとか、なんでそんな展開になってしまうんだようとか……。
詰まらないだけなら捨ておくのみなのですが、それではあまりにもったいない。
多分、監督の脳内には世界の設定があるのでしょう。そしてそれを見せるためだけにキャラが作られている節があります。
魅力的なキャラクターを多数配置しながら、それは設定を説明するだけの役割しかない。
したがってほとんどのキャラが「出オチ」なのです。登場した瞬間のインパクトが最大で、あとはもう「だから……?」としか云いようがない。
ある役割を果たしたら、もうそのキャラに見せ場はない。そんな、あんまりだ。
観終わった後、フラストレーションが溜まること。溜まりまくり。
こうしたら良かったのに、何故ああしなかったのか、と云いたいことが山のように出てきて仕方がない。うーむ。
この手の「物語に整合性のないビジュアル先行型のSFぽい映画」と云えばフランス映画の十八番ですが、シェーン・アッカー監督はバリバリのアメリカ人でした。
きっと制作がリュック・ベッソンだったりしたら、もっと納得がいったかも。
バートン制作なので、当然のように音楽はダニー・エルフマン。
声優も、イライジャ・ウッド、クリストファー・プラマー、マイケル・ランドー等々。錚々たるメンバーである。
ここにもクリスピン・グローヴァーを発見しました。『ベオウルフ/呪われし勇者』といい、『アリス・イン・ワンダーランド』といい、ヘンテコな役でも頑張っていますねえ。
ビジュアルのあちこちに日本アニメの影響が散見されるのは御愛敬か。モロに『もののけ姫』な演出があるのは、気の所為か。オマージュと云うことで(笑)。
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