2011年12月8日木曜日

けいおん!

(K-ON!)

 映画化の話を聞いたときにはまさかと思いましたが、こうして現実に劇場で『けいおん!』を観る日がやって来ようとは。随分と待たされた気がしますが、過ぎてみると短かったか。
 それにしても大人気のアニメであるだけに、映画公開前からあちこちでタイアップしたラッピング列車が走っているようで、一度乗ってみたいものデス。特に関西方面の鉄道会社の気合いが入りまくりなのが羨ましい。
 中でも北近畿タンゴ鉄道と京阪電車の大津線ね。アレは派手だ。いいなぁ。
 東京ではこういうことはしないのか。JR山手線もラッピングされるそうですが……絵柄が小さッ! 何故こんなに小さいのだ。あのいまいましい都条例の所為か!
 京阪電車みたいにブワーッとラッピング出来ないのか。
 多摩在住なので、京王電鉄に頑張ってもらいたいのに。お願いします。京王線を「けいおん線」にして下さい。
 そしたら朝は澪たんと共に出勤し、晩はあずにゃんと共に帰宅するのだ。あああ夢のようだ。夢か。

 さて、本作はTVシリーズ(第二期)が終わる直前の物語です。卒業を間近に控えた軽音楽部のメンバー達の卒業旅行が主に描かれます。
 こうして観ると、一本の青春映画の体裁になっているのが見事ですね。初めて『けいおん!』を観る初心者でも大丈夫でしょう。それほど複雑な設定はないしね。
 当然、事件らしい事件など起きません。元からそういう物語だし、女子高生達のゆるゆるな日常を描く──だけ──ですから。
 この淡々とした日常を描いて、観ていて飽きないというのは、きっと凄いことなのだと思います。小津安二郎にも通じるものがある──って、そんな大層なもんじゃありませんか。

 大学受験も終えた後の、卒業式までの期間という、重圧から解放された高校生活最後の日々。何もすることは無く、あとは卒業するだけか。いいですねえ。
 そしてやはり部活をしている人達は、仲間と卒業旅行に行くのが定番なのか。
 と云うか、君たち全員同じ大学に合格しているのでしょうが。思い出作りにわざわざ旅行しなければならないものなのか……などと云うツッコミは野暮ですね。
 それにしてもイマドキは女子高生だけで海外旅行してしまうものなのか。豪勢やねぇ。
 ところでいつの間に全員、パスポートを取得しているのだ(番外編がまだあるのか)。

 結局、誰一人欠けること無く、海外旅行に参加できるのですか。それはあまりな御都合主義なのでは。
 いきなりケータイで家に電話し、相談したら、全員が即OKをもらえる展開に、この映画の最大の違和感を感じてしまいました。イヤ、そんなところにツッコミ入れてどうするのだと自分に言い聞かせはするのですが。逆に云うと、ソコ以外はあまり問題ないのか。
 でも、もし自分のムスメから、あるとき電話があって「みんなと海外旅行に行きたいの。ロンドンよ」と云われた日にゃどうするべきなのだろうか。
 未成年者だけで三泊五日でしょう。
 いや。ソレより先に高校生になって、いきなり一五万円相当のギターを買ってくれと云ってきたらどうすればいいのだ。三分の一に値切れるような社長令嬢のお友達を見つけてこいと云わねばならぬのか。
 いやいや。そもそも、自分のムスメが高校で軽音楽部に入部することを既定の事実として妄想を膨らませてどうする。落ち着け俺。そんな心配はまだあと七年以上先だ。

 本作に於ける見所はやはり緻密な海外旅行の描写でしょう。
 ロンドンの風景が実にリアル。実は二回ばかりロンドンに行ったことがあるので、非常に懐かしい感じがしました。そうそう、こんな街並みだったねえ。地下鉄の描写もリアルでしょー。
 製作スタッフは二度にわたってロンドン・ロケを敢行したそうですが、ロケハンの成果は充分あったと申せましょう。京都アニメーション、気合い入れてますねえ。
 それに何と云ってもCGじゃないアニメはいいなぁ。3Dでないのもいい。
 観ていて非常に落ち着く。癒やされると云うべきか。
 それだけに、ロンドンの背景に一部CGが使われた個所があったのは、ちょっと残念でした。特に、テムズ川河畔にある巨大観覧車〈ロンドン・アイ〉に唯ちゃん達が乗るシーンがね……。
 CGで〈ロンドン・アイ〉のモデルを構築して、画面を作っているのは判ります。見事な背景ですし、作り手がこだわっているんだろなぁとは感じるのですが……。
 えーと。そもそも『けいおん!』にそんなダイナミックなカメラ・ワークが必要なんですかね?
 私はそれよりも、ギターを弾いたときの弦の振動とか、踏切で電車待ちしているときに遮断機が揺れている等の細かい描写の方に感心してしまいました。こういう何気ない描写の方が難しいのでは?
 それから「イギリスから日本にメールを打つと、それは未来に向けて送信することだ」という下りも好きデス。

 登場人物で云うと、平塚家の御両親が登場して、喋ってくれたのでビックリしました。お父さん、ちゃんといたのか。
 他にもあまり出番の無いクラスメイト達や、オカルト研も出してくれたし、さすが劇場版。

 当然のことながら、作画だけでなく、音楽も良いです。本作は、まずは大スクリーンで音響設備のしっかりした劇場で観ないとイカンですよね。
 「カレーのちライス」や「ごはんはおかず」もちゃんと歌ってくれるのが嬉しい。
 新曲も三曲追加ですよ。「Singing!」、「Unmei♪wa♪Endless!」と「いちばんがいっぱい」。ええ、CD買いましたともさ(初回限定版でな)。
 劇中でもちゃんとライブ演奏しますし。出発前、旅行中、帰国後と何度も挿入される演奏のシーンが楽しいです。実は音楽映画としても、かなりイケているのではないか。
 個人的には、ロンドンでのライブより、帰国してから学校で演奏する場面の方が印象に残りました。
 教室で机をくっつけて並べた即席ステージの上でのライブに、ちょっと感じいってしまいました。若いっていいなあ。

 まるで唐突な「おしまい」もいいですね。
 特にドラマの終幕に向けて盛り上がったりしない。音楽も高まらず、キャラのアップもない。遠景のまま、サラッと「おしまい」。実に『けいおん!』らしい。
 エンドクレジットがまた完全新作(当然か)なPV風になっているのもいいですねえ。
 『けいおん!』のEDはこうでないと。

 これで『けいおん!』、『けいおん!!』ときて本当に終わるか。感無量です。
 よもや『けいおん!!!』はあるまい(よね?)。

 ところで本作を鑑賞すると、リピート鑑賞者用にメモリアルフィルムとやらがもらえるそうで応募用紙を戴きました。鑑賞時の半券を三枚集めてもらえるそうな。『涼宮ハルヒの消失』や『マクロスF』でもやっておりましたな。つい先日は『トワノクオン』でも。
 しかし『けいおん!』のリピート鑑賞グッズ応募用紙はハンパじゃなかった……。
 半券を最大二四枚まで貼れるようになっている(全八種類か)。
 夏休みのラジオ体操のような応募用紙ですな。
 二四枚か……。

 グッズと云うと、デニーズで「クリ~ミ~な自家製フルーツとらいふる」も注文しましたともさ。これを食べて『けいおん!』グッズを当てよう。
 いやはや、どちら様も商魂逞しいですねえ。


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