かつて第一作『涼宮ハルヒの憂鬱』だけは原作小説を読んだことがあります。しかし既に原作小説は第九巻まで刊行されていたような。私が読んだ当時でも第三巻くらいまでは出ていたんではなかったか。
TVシリーズでは原作の『憂鬱』『溜息』『退屈』あたりまで消化され、とうとう原作第四巻『消失』は丸ごと劇場版になってしまいました。怖ろしい。
実は白状しますと、私はあんまりアニメの方は観てないのです。
それにしては「冒険でしょでしょ?」も「ハレ晴れユカイ」も散々、カラオケで歌っておりますが(汗)。
二〇〇六年当時、少しばかり摘み食いした程度。昨年の再放送込みの第二期は録画だけしてHDDの中に溜め込んでいるという状態。
原作も第一作のみ読んだだけ。一応、基本設定だけ承知しているハルヒ初心者です。
だから『憂鬱』のみ押さえており、『溜息』と『退屈』はスルーした状態で『消失』に臨んだわけですが……。心配は杞憂でしたね。
映画として、作品として、非常に完成度の高いアニメと申せましょう。
二時間半以上あるだけのことはある。
実に丁寧な日常描写の積み重ねが、SFとして効果を及ぼす為にはこれだけの尺が必要なのである(と思う)。
基本設定は『憂鬱』で一通り紹介され、あとはそれを使ったエピソードばかりなので、初心者でもノープロブレム。知らないエピソードにも言及されますが、特に問題ありません。
キョンくんの懇切丁寧なモノローグがすべて解説してくれるので(爆)。
実際、この映画の主役は──全作そうなんだろうが──キョンくんですね。
ハルヒが脇役に過ぎないことは、この『消失』で明かでしょう。なにせ本人が消失してしまうのが本筋ですから(笑)。
おかげで朝比奈さんも、長門さんも、フツーの女の子になってしまって、超常的なところが一切無い。実は、これこそがキョンが望んでいた「平穏な日常」なのであるが、いつもの超常的なところのない日常の積み重ねが、逆説的に異常な状態なのだという、描写が面白いデス。
まぁ、私は特に〈長門萌〉ではありませぬが(笑)、長門ファンにとってはこの『消失』は堪らんのでしょうな。
実は私は、朝倉さんが一番なので『憂鬱』であっさり御退場されてしまって、少々詰まらなく思っていたのですが、今回めでたくカムバックされて嬉しい限りです。ゾクゾクするね。
それにしても劇場版のOPも「冒険でしょでしょ?」だったのには笑いました。
巨大なスクリーンにドルビーサラウンドで、この曲を使うか(笑)。
当然、EDは「ハレ晴れユカイ」であろうと期待したのですが、そっちは新曲でした。
なんだ。
プリキュアの劇場版みたいに「踊るときは隣の席のお友達に気をつけてね♪」てのを期待したのですが(爆)。
● 余談
とりあえず公開初日に観賞したので、「特製メモパッドを先着プレゼント!」をゲットしますた。
更にもう一枚の鑑賞チケット半券と併せて、半券二枚で何やら特典ブックマークと交換してくれるそうな。リピーター狙いの映画にしては長すぎるような気がするが……。
いや、上映時間が長すぎるのでリピーターを呼ばないと興業収益が上がらないのか。仕方ない。もう一回、行くか。
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