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2011年4月24日日曜日

GANTZ

(GANTZ)(GANTZ : PERFECT ANSWER)

 原作のコミックスは読んでません。三〇巻以上もあるし(『彼岸島』のときと同じ云い訳デス)。

 死んだ筈の人間が集められ、再生されて、理由も判らぬまま「星人」と呼ばれる謎の生命体との戦いを強要される。「星人」はそのまんま異星人という解釈でいいのだろうか。
 過去のSFにも時折見られる〈闘技場〉パターンのネタではあります。

 夜間の無人化した住宅街で繰り広げられる異星人との死闘──というと、雨宮慶太の『ゼイラム』みたいですねえ。
 戦場が実在の場所というのが面白い。
 最初の戦闘が「多摩市一ノ宮五丁目」で行われたので笑ってしまいました。うちの近所で戦っているッ(笑)。

 登場する異星人が、どいつもこいつも人を食ったようなデザインなのがシュールです。
 ねぎ星人、田中星人、おこりんぼ星人……。
 ホントに地球を侵略しているのかと疑いたくなります。どう見ても人間側から喧嘩をふっかけているようにしか見えない。特にラストのおこりんぼ星人に至っては、博物館の中で静かにしているだけなのに……。
 これって後編で説明されるのでしょうか。

 前編だけ観ては、謎解きはさっぱり。
 とりあえずアクションのみ全面に押しだし、難しいことはすべて後編に先送りしている感がありますが、ちゃんと説明が付くのであろうか。

 アクション場面自体はよくできていた。CG合成もなかなか。
 クライマックスの上野での壮絶バトルはもう、特撮映画としては水準以上の出来映えでしょう。主演の二宮和也や松山ケンイチはさすがです。

 ウェットスーツのような戦闘服の能力とかの見せ方も巧い。SF者には云わずもがなのガジェットの説明を省く演出もいいですね。
 強大な力を手に入れて増長する二宮くんの演技が巧いデス。そうそう。若者はそうでなきゃイカん。そんなにいい気になっていたら、あとが怖いのに……と観ている側は判っていても(笑)。
 難しい理屈の説明は後回しにして、状況説明と心情描写に徹している分、キャラクターの描き方は理解しやすい。
 心配なのは原作がまだ続いていることですかね。映画として二部作で完結してくれるのだろうか。とりあえず一区切りつくまでは頑張ってもらいたいが……。

 前編のラストでマツケンが死んでしまったのには、ちょっと驚きましたが、これで二宮くんの方に戦い続ける動機が生まれるワケですね。なんとしても100点のスコアを獲得し、友人を生き返らせねばならない。戦え、玄野計。

 ──なのはいいが、それではマツケンの出番は前編でお終いなのか。そりゃないだろう。と、心配しましたがエンディングのミステリアスな展開でちょっと安心。
 GANTZの謎を追う男──山田孝之──の登場と、さっそく死んだはずのマツケンがチラ見せ登場する。後編への引きとしては充分ですね。これは後編が楽しみ。

 で、後編『PERFECT ANSWER』に続いたワケですが、前後編の間隔が三ヶ月しかないとは嬉しいことです。
 冒頭の「ぱーと1の復習」はサラっと流して、本編に突入。
 川井憲次のテーマ曲をバックにOPが流れますが、これが実にカッコいい。前編のハイライトシーンをコラージュしながら繋いでいく。いい感じでテンション上がります。

 しかし前編が謎解きをすっかり放棄して、アクションに徹していた分、後編はちゃんと広げた風呂敷を畳んでくれるのだろうかと心配だったのですが……。
 謎解きはありません。
 いやもう、潔いまでに後編もアクション全開、説明無し。いいのか。

 まったくどうなっているのか判らないままに、星人との死闘は続き、玄野のスコアは100点まであと少しに迫る。
 だが目標までもう一歩なのに、黒い球体にも異変が生じ始める。仕組みの判らない装置が機能不全を起こしているらしいと云う描写は、観ている側の不安も煽り、なかなか怖い。
 しかしどうにもスッキリしませんねえ。
 謎は謎であるうちが華なのでしょうが。種明かしした途端につまらなくなるのはよくあることですけど。

 ただ、アクションの演出は前編に増してキレ味が良くて、素晴らしいです。それだけでも見応え充分。
 特に地下鉄内での「黒服星人」の一団との戦闘が素晴らしい。この黒服星人の配役が巧くて、綾野剛や平野靖幸、大石将史といった役者さんの無機質な演技がゾクゾクします。
 そして水沢奈子。女子高生が日本刀振り回して壮絶な殺陣を演じるのは、もうアクション映画の常識になってしまったのか(笑)。
 『エンジェル ウォーズ』のエミリー・ブラウニングより迫力ある。
 佐藤信介監督は、この地下鉄バトルが描きたかったのでしょう。入魂のアクション演出。スピード感と迫力は前編以上ですね。

 結局、星人とのバトルは報復が報復を呼んで、もはや先に手を出したのがどちらなのか判らない。戦闘の理由も不明なまま。もう一種の不条理ドラマの様相を呈しており、判ったところで状況が解決するわけでも無さそうではありますが。

 マツケンの姿をコピーした星人と、生き返ったマツケンとの戦いやら、見せ場の迫力は素晴らしいのですが。
 どうも後編の展開は原作とは異なるオリジナルらしい。別に原作に思い入れがないので気にはなりませんでしたが、ファンの人には違和感があるのでしょうか。
 逆に、オリジナル展開なら、それなりの説明があっても良いと思うのですが。
 不毛な戦いの果てに100点以上のスコアを獲得し、「100点メニュー」を越える「満点メニュー」の選択権を得た玄野が選んだ道とは何か。

 うーむ。それでいいのか?
 皆の幸福の為に主人公一人が貧乏くじを引くと云うのは確かにヒーローぽいのですが……。
 黒い球体の正体も判らないまま、機能不全を修復する為に自らが球体の部品となる、と云うのは如何なものか。
 神の如き力を行使し、犠牲者を復活させ、時間すら巻き戻し、何事もなかったことにしてしまっても……。
 それは自分の部品としての寿命が尽きるまでではないのか。根本的な解決になっていないような気がしますけど。なんかもう不条理と云うより不親切な終幕と云わざるを得ないデス。
 ビジュアル的には100点なのにねえ。




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