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2010年3月12日金曜日

魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st

(Magical Girl Lyrical NANOHA : The MOVIE 1st)

 昨年(2009年)末の紅白歌合戦に、声優歌手として初めて出場したのが水樹奈々。
 彼女の代表作として必ず挙げられるのが『魔法少女リリカルなのは』。
 はあ。

 そもそも元ネタである『とらいあんぐるハート』知らねーし。そこからスピンオフした作品と云われても……。
 スピンオフ作品にしては、本家よりも長く続いて第四シリーズあたりまで制作されて、今なおメディアミックスで進行中とな。近い将来、アニメ版第五期制作決定とか云われたりするのでありましょう。

 でも最初を見逃すと、どうしてもついて行きづらい。気が付くともう、そんなに長く……。
 と、思っていたら、これは二〇〇四年に放送された第一期を劇場版として新規にリメイクしたのだそうな。それなら大丈夫か。本当に私は〈なのは〉を一度も観たことがないのですよ。
 逆にTVシリーズを一三話分も一気視聴する手間が省けるわい。

 これは〈なのは初心者〉の為の劇場版です。安心して御覧下さい。
 ──って、また上映劇場数が極端に少ないミニシアター系ですか。でも実は新宿では一月からずっと上映し続けている。マニアなリピーターが続出しているらしいデス。
 そのあたり『マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~』や『涼宮ハルヒの消失』と同じですね(笑)。

 しかし五年前の作品をわざわざ完全新作劇場版として制作し直すとは、相当な人気作品なのか。
 確認するべく、行って参りました。予備知識、一切なし。

 えーと。
 うーむ。
 これホントに「魔法少女」ですか?

 〈魔法少女〉ものと云えば、日曜の朝とかに東映あたりが制作しているアニメをさして云うのだと思っておりました。古くは日曜のゴールデンタイムに、名作ものと一緒に放送していたような……。
 つまり、一般的に「呪文」を唱えて、なんかこう「人々に幸せを運びまぁす」みたいな。
 その意味では、プリキュアは魔法少女では無いだろうし。あっちは「美少女戦士」の系統か。

 プリキュアと同じ時期に、題名に〈魔法少女〉と冠しながらSFバトル・アクションものが制作されていたとは存じませんでした。
 今や魔法少女は〈異次元からの侵略〉にも立ち向かうものらしい。
 とりあえず異次元からの怪物を退治することで、間接的に人々を幸せにすると云うか、平和を守っていますという物語。
 でも主人公は小学三年生の女の子(爆)。

 設定がそんな調子でSFぽい上に、魔法の描写が完全に「男の子向け」ですよ。魔法少女が持つバトンと云うか、ステッキと云うか、なんかそんなものは、ここでは「デバイス」と呼ばれ、どうも人工知能が搭載されているみたいですね。
 大体、華やかであるべき魔法少女の変身シーンで「防御シールド展開、バリア・ジャケット装着」とか云うなよ(笑)。

 これはアレか。クラークの例の法則が適用されているのか。
 「充分に発達した科学は魔法と区別が付かない」というあの法則。

 背景設定に唖然としましたが、物語的にはうまくまとまっているように思われます。多分、TVシリーズの本筋だけ抽出して凝縮しているのでしょう。
 主人公の少女とライバル役の少女の出会いと別れまでが描かれて、脇役のエピソードは無い。なんか周辺キャラにも色々と設定がありそうでしたが、劇場版だから本筋のみなのね。

 で、水樹奈々は主役ではなく、敵になるライバル少女役の方でした。
 主役は田村ゆかり。
 でもこの手の物語にありがちですが、主役がお行儀良い少女である場合、ライバル役少女の方が目立ったりする。いや、どう見ても主役はフェイトちゃんでありましょう。
 性格きつそうでクールな外見だが、実は薄幸で愛に飢えているという(爆)。
 物語も全部、フェイトちゃんを軸に展開しているようなものですよ。

 さすが水樹奈々の代表作と云われるだけのことはありますね。
 ドラマチックで泣かせる部分は、ほとんど彼女のパート。こりゃ人気出る筈だわ。

 とりあえず萌えアニメを抵抗なく観てもいい人にはお薦めです。
 ハードなSF者のツッコミはお控え下さい(笑)。




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