これにもまた鹿賀丈史が出演しておりますな。『笑う警官』より遙かにマシでした。怪演なのは相変わらずでしたが(笑)。
日本を代表する三代女優の競演、というのが売りだったようですが……。
広末涼子よりも、木村多江よりも、中谷美紀の演技が突出して素晴らしかったです。
例によって邦画の悪い癖が出ているのが気になりましたが。
広末涼子の「説明的モノローグ」は全部無くてもストーリーは理解できるのになあ。まあ、今回の広末の役から解説者の立場を取ると、ほとんど出番が無くなるので仕方ないのか(笑)。
でも終盤の中谷美紀vs広末涼子の場面は良かった。
たった一言の言葉で復讐を果たすという演出が、影の薄い新妻だった広末の印象をガラリと変えてくれました。
東京オリンピック前の昭和三十年代という時代背景が強調されていましたが、多少はくどくなるくらい強調しないと、今の時代には判りづらいのか。
「パンパン」という言葉一つとっても、解説が必要なのね。
原作もそうらしいが、とにかく主役は女性陣である。
総じて鹿賀丈史以外の男性キャラは、かなり弱い。特に肝心の失踪する憲一役の西島秀俊の印象が薄い。こいつが全ての元凶のくせになあ。
あと、エンドクレジットにやたらと韓国の人の名前が並んでいたのが気になりました。
どうやらロケ地の関係で並んでいるらしい。
つまりもはや昭和三十年代という時代は、日本国内でそれらしいロケ地を探すのが困難になったということか。もうレトロな背景は日本国内には無いか、あってもCGで修正しないと使えないのか……。
そういえば『魍魎の箱』でも昭和前期の風景は上海ロケだったなあ。
エンディングに流れた中島みゆきによる主題歌「愛だけを残せ」は名曲です。
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