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2011年4月9日土曜日

オーズ・電王・オールライダー

レッツゴー仮面ライダー

 仮面ライダーディケイド以降、「オールライダー構想」というのが定着してしまった感がありますね。東映はマーヴェルの「アベンジャーズ構想」に対抗するつもりなのだろうか(笑)。

 それにしても、電王の人気って衰えを知らぬようですなあ。平成ライダーの中で一番、売れまくっているのではないか。他のライダーとの共演が一番多いような。
 「タイムトラベルする仮面ライダー」という設定は非常に便利ですねえ。
 お祭り映画だと判って観るので、細かいツッコミは野暮でしょう。脚本はいたるところ穴だらけのような気もするが、スルーしてあげるのがマナーです(笑)。

 冒頭、何故かイマジンと戦っているオーズ。まだイマジンが残っていたのか。
 叩いても斬ってもセルメダルが出てこないので不審に思うオーズが笑える。出ないよ、そんなの(砂しか出ないね)。
 そこへ電ライナーと共にNEW電王が現れる。
 「オーズと電王」と云うよりも「オーズとNEW電王」の共演である。もはや良太郎はどこにもいない。孫にバトンタッチしているので、幸太郎とテディが電王として活躍しているらしい。うーむ。
 コハナちゃんも愛理さんもいないのかぁ。残念……。
 まぁ、モモタロス達がいるから大丈夫とはいえ、ちょっと淋しいのう。

 逃げたイマジンは、たまたま通りかかったナオキ少年の記憶を辿って四十年前へと逃亡。何故にこんな少年に四十年前の記憶があるのか。
 詮索は後回しで、電ランナーは発車。アンクと映司くんもドサクサに紛れて過去へ。
 四十年も昔なら他のグリードは目覚めていないので、メダルは取り放題だぜ……って、そんな安直な(笑)。
 結局、アンクがこぼしたセルメダルがブラック将軍の手に渡り、最強の改造人間〈ショッカーグリード〉が誕生し、仮面ライダーを圧倒して歴史が変わってしまったのだった(爆)。

 今の観客はSF者でなくても『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とか見慣れているから大丈夫か。メダル一個で歴史が大きく変わるのが笑えます。
 ショッカーに倒されて手先になってしまった1号と2号を元に戻す為に、再び過去へ遡る電王一行と、現代に残って戦い続けるオーズ。

 1号、2号の声は藤岡弘と佐々木剛だった。素晴らしい!
 でも変身シーンは無かった! それが不満!
 『トロン : レガシー』でジェフ・ブリッジスを若返らせたCG技術を藤岡弘にも使ってもらいたい! 日本の技術ではそこまで出来ませんかッ。うがあッ。

 それにしても福本清三が変わらずブラック将軍であるのは嬉しいが、やはりお爺ちゃんなのは仕方ないか。『ラストサムライ』でトム・クルーズとも共演しているのに、再びブラック将軍も演じてくれるとは。流石デス。

 他にも続々登場するジャーク将軍やらジェネラルシャドウやらの声が、柴田秀勝や加藤清三であるのが素晴らしい。でもショッカー首領の納谷悟郎の声がそれなりに老けてしまったのは……。うーむ(泣)。

 まあ、このあたりはほとんど子供達の為ではなく、パパ世代の為のサービスなのですが、今回はちょっとやり過ぎのような感がありますなあ。ディケイドの劇場版がヒットしたからと云って、ここまでやらずとも……。
 少年ライダー隊とか、懐かしかったですけどねえ。

 納得いかんのは、キカイダーやイナズマンまで登場させたこと。もはや蛇足と云う他は無い。まるきり必然もなければ、説明もない。これはもうファン・サービスではなく自己満足か。
 ズバットまで出したのに、宮内洋に「チッチッチッ」をやらせないのは片手落ちである。キカイダーもトランペットを吹くところから始めなきゃイカんでしょ。
 ついでに宇宙刑事も出せ──とか難癖付けると、次の劇場版で出しそうだから止めよう(笑)。

 しかし一番、許せぬのはイカデビルをモブキャラにしてしまったことである。これはもう万死に値する。
 しかも画面の隅っこで「ゲソゲソ」云ってるし! イカ娘じゃないんだからさあ(泣)。
 お祭り映画だと判っていても、あれはひどい……。

 お子様にとっては楽しい場面も色々ありますけどね。
 モモタロスがあっちこっちに憑依するので、アンク(三浦涼介)も幸太郎(桜田通)までもが「俺、参上!」とかやったり。
 モモタロスのコアメダル(爆)とショッカーメダルを合わせて〈魂コンボ〉になるオーズとか。
 タカ! イマジン! ショッカー! それはコンボですか?

 そしてラストのオールライダー大集合。もはやプリキュアどころのハナシではない。
 いわゆる昭和ライダーは、ZXやらZOまで含めて十五人。
 平成ライダーが、クウガからオーズまでで十二人。
 総勢二十七人となるが、更にそこから平成ライダーに登場した脇役のライダーたちまで登場する。
 G3も、ナイトも、カリスやレンゲルも、威吹鬼や轟鬼、ゼロノスやらアクセルやら、バースに至るまで……。パンフレットで確認できるのは三十二人であるが……。
 総勢五十九人? いや、もっといるだろ。スカルも呼んでよ。

 これこそオールライダーなのか。
 と云うか、王蛇や地獄兄弟なんかも味方にしていいのデスか? そんなこと云っていると他にもまだ「ライダー」と名が付く人たちがいっぱいいるような気もするが……。

 そしてこのライダー軍団が繰り出すラストの大技「オールライダー・ブレイク」は、仮面ライダー達が各自のバイクにまたがり、編隊を組んで天駆け、敵に突撃する必殺技でしたが……。
 ディエンドは自分のバイクを持っていなかったのでは。誰かに乗せてもらったか(笑)。
 画面上ではもはや誰が誰だか確認できないくらい大人数だったので、よく見えませんでしたが……。
 とりあえず岩石大首領を倒して、めでたしめでたし。

 最後にささきいさおまで登場させてタイム・パラドックスの謎解きしてくれたのはいいのですが。イマイチ釈然としない説明でしたね。
 冒頭の「ナオキ少年に四十年前の記憶がある」という説明にはなっていないような気がするのですが。そんな細かいことは考えちゃダメですか。


 そしてあと十年したら、今度は五十周年記念作品だとか。
 仮面ライダーもあと最低十人は追加ですか。しかしそれは怖ろしく大所帯になるので、もう止めておいた方がいいのでは……。

 そもそも子供をダシにしてパパ世代の為の映画にしているのは問題がある。
 チラ見せ登場したキャラが誰なのか、あとで子供達にいちいち説明していかねばならないではないか。敢えて親子の時間を作ってあげようという東映さんの親心……なワケないね!
 フォローを全部、こっちに押しつけやがったな(泣)。




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