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2010年8月14日土曜日

特攻野郎Aチーム THE MOVIE

(THE A-TEAM)

 ──俺たちの助けを借りたいときは、いつでも云ってくれぃ!

 ちゃんとナレーション付いてました(笑)。

 かつて親しんだ海外ドラマの映画化であるなら、やはり一定の固定ファンが見込めますからねえ。なんだかんだ云っても観に行ってしまう自分が恨めしい。
 でも観るならやはり吹替版でないとイカンでしょー(笑)。
 お馴染みのテーマ曲をアレンジしているのはアラン・シルヴェストリ。このメロディが流れないと許しません。

 全体的にシリーズ化を最初から前提にしているような構成ですね。
 まず冒頭に〈Aチーム〉結成以前のエピソード──四人のキャラの出会いがあり、続いて戦時の特殊作戦があり、罠にはめられ、軍法会議で有罪判決──という、ドラマ上は羽佐間道夫のナレーションで済ませるあたりを非常に丁寧に描いていきます。
 後半は脱獄し、汚名を雪ぐ為に自分たちに罠を仕掛けた黒幕を追って行動を開始していく。
 したがって今回は他人から仕事の依頼を引き請けるのではなく、自分たちの為に行動しているあたりが、ちょっとパターンが違う──のですが、まぁいいか。
 このままだと「別に〈Aチーム〉でなくても良さげな物語」になってしまいそうなものですが、やはりキャラが立っているのでそうはなりません。
 この四人がいる限り、ナニをどうやっても〈Aチーム〉な展開になるのが、見事というか、ファン・サービスは大事ですね(笑)。
 と云うか、モロにシリーズの第一作ではないか。

 オリジナル版ではベトナム戦争での特殊作戦という設定でしたが、リメイクに際しては現代的にイラク戦争に置き換えられている。
 特に違和感なし。

 しかしどうなんですかね。別に物語にケチつける訳ではないが、四半世紀後にリメイクするときに、ちゃんと都合よく「別の戦争をしている」と云うのは如何なものか。米国という国のあり方に、ふと疑問を感じてしまいました(笑)。
 つくづく日本は平和よのう。

 「作戦立案はハンニバル」という基本設定に忠実に、映画の中では数回分の作戦が実行されます。この辺の描き方が実に小気味良く、この手のミッションものが好きな方にはお勧めですね。
 あらかじめ説明してから実行するとくどくなりそうな部分を、実行時とのカットバックで描き出す演出はスピーディでいい感じです。

 まぁ、奇想天外というか、バカやらないと〈Aチーム〉じゃないからね。
「戦車で空を飛ぶ」も許そう。なんとなく物理的に無理っぽい描写であるが。〈Aチーム〉なら許される。
 これが〈ジェイソン・ボーン〉だったら噴飯ものですが(笑)。
 TVシリーズより予算を使ったアクション・シーンはなかなかの迫力ではあります。さすが劇場版。

 最終的に〈Aチーム〉が結成され、基本設定が出そろうところでおしまいなので、やはり続編がないとイカンでしょう。

 するとリーアム・ニーソンにはしばらくハンニバル役で頑張ってもらわねばならないか。『96時間』以降、アクション映画に出演するのに抵抗が無くなったみたいですし(笑)。
 製作総指揮がリドリー・スコットとトニー・スコットだったのがちょっとビックリ。リドリー・スコット製作だからこそ、リーアム・ニーソンは出演を決めたそうですが。

 ニーソン以外のメンバーも実にハマっていて、気に入りました。
 特にマードック(吹替版ではモンキーと云って欲しかった!)役のシャルト・コプリーがいい感じ。イカレてます(笑)。
 どうでもいいことですが、劇中でシャルト・コプリーがメル・ギブソンのモノマネする場面があって笑えました。『ブレイブ・ハート』ってネタにされることの多い映画だなあ。

 監督はジョン・カーナハン。『NARC ナーク』も『スモーキン・エース』も観てないなあ。かつて『ミッション:インポッシブル3』の監督に抜擢されるも降板したそうなので、『スパイ大作戦』の代わりに『Aチーム』でやりたかったことを果たしたというワケですかね。

 長々とエンドクレジットが流されますが、席を立ってはいけません。旧TVシリーズの役者が最後の最後で顔見せしてくれるのが微笑ましい。
 フェイス役のダーク・ベネディクト(一言だけだがちゃんと安原義人だった!)とマードック役のドワイト・シュルツ(富山敬で聞きたかった!)がお元気そうなのはいいが、ミスターTも顔見せしてもらいたかった。
 でもジョージ・ペパードは……お亡くなりだから仕方ないか。うう。どこかで写真くらい出してくれてもいいじゃなイカ。

●余談
 さて、こうなると『Aチーム』の続編が先か、『ナイトライダー』の映画化が先かと気になるのですが、よもや『ナイトライダー』がスルーされることはありますまい。
 まさか『エアウルフ』とか『マクガイバー』の方が先なのか。

 個人的には『刑事ナッシュ・ブリッジス』もDVDボックス化されることでもあるし、劇場版が製作されてもいいと思うのだが──『マイアミ・バイス』よりかはマシだろう──ナッシュ・ブリッジスって、ホントに「ただの刑事ドラマ」だからなあ(そこがいいんじゃ)。




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