絢爛豪華な歴史絵巻ではあるのですが……。
うーむ。本当にフツーの恋愛映画でした(まぁ、一般人とはかなり状況が異なりますが)。
ヴィクトリア朝ロンドンを舞台にしたドラマと云うと、有名なのはシャーロック・ホームズですが、その頃のヴィクトリア女王はもう既にかなり老齢ですので、少女時代から即位、結婚、第一子の出産あたりまでが描かれるこの映画は、まさに「ヤング・ヴィクトリア」なので、それなりに興味深い。
『エリザベス』(1998年)もそうでしたが、女王陛下の少女時代はあまり幸せではないというのがお約束なのでしょうか。前半は、現実のプリンセスとは楽なものじゃないのよ的なドラマが続きます。
当然ながら英国の俳優ばかりですので、あまり馴染みがない。エミリー・ブラント、ルパート・フレンド、ポール・ベタニー等々、まるきり知らないわけではありませぬが、イマイチ印象が薄い。マーク・ストロングだけはすぐに判りましたが。
それにしても、ほとんどが恋愛絡みの宮廷陰謀劇なドラマだったのが、ちょっと肩すかし。なんとなく『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(2007年)みたいにスペクタクルな場面も期待していたのですが、そういうのはまったく無かったデスね。
おかしい。
アヘン戦争とか、クリミア戦争とか、色々とあった筈なのに……。
ついでにロンドン万博の情景なんかも期待していたのに、これも無かった。
ドラマはヴィクトリアとアルバート公の恋愛に終始し、物語は第一子の誕生でおしまい。その後の歴史は字幕でサラリと流されてしまいました。
──その後、ヴィクトリアとアルバートは二十数年にわたり英国を共同統治し、福祉と科学の振興に尽力した。その成果は一八五一年、ロンドン万博として結実する。
頼むから! そこで! 万博の情景をワンカット挿入してくれ(泣)。CGでいいからさぁ。
──四二歳でアルバート公が病死した後は、女王は生涯を喪服で通した。在位六三年は現在でも英国最長在位記録である。THE END。
うーむ。歴史考証とかに手抜かりはなさそうだし、ロケ地の背景も本物だし、見事なのですがねえ。個人的には残念な映画になってしまいました。
● 余談
どうでもいいけど、鑑賞時に劇場には、何故か年配の女性が連れ立って観に来ていて、ほぼ満席状態(「歴女」と云う訳でもあるまいに)でした。男性客は割と少なかったです。
その少ない男性客もオヤジ層が多かった。なんだ? 歴史マニアにしか受けないのか?
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