2008年2月23日土曜日

エリザベス ゴールデン・エイジ

(ELIZABETH : THE GOLDEN AGE)

 10年前に制作された『エリザベス』の続編ですが、当時の私はケイト・ブランシェットの白塗りメイクに恐れをなしてスルーしておりました(汗)。
 今回は前作がオスカーにノミネートされた所為か制作費も倍増、スペクタクルシーン満載で帰ってきたというので観て参りました。昨年末の『AVP2』を観た際に〈アルマダの海戦〉シーンが予告編にあって否が応でも期待度アップ。

 で、前作を知らなくても大丈夫かなと云う懸念は無用でした。
 これはこれで作品単体として楽しめます。

 それにしても『300』と違って(失礼)、こちらは歴史のお勉強になりますぞ。世界史を選択した学生さんは必見と申せましょう。
 当時の欧州最強の国家はスペイン(イスパニア)で、宗教はカトリックがメイン。フェリペ二世は熱狂的カトリック教徒で、当時の欧州で唯一のプロテスタント国家イングランドを目の敵にしていた――という冒頭からして為になるなあ。

 前作でメアリ・スチュアートに競り勝って女王の座を手に入れたエリザベスの半生が描かれる訳ですが、スコットランドに幽閉されたメアリを女王にしようとするフェリペ二世の陰謀、進行するエリザベス暗殺計画が前半の山場です。
 メアリ・スチュアートはカトリック教徒なのでドラマの展開が実に判りやすい。

 世界史の授業で習ったときにはサッパリ頭に入りませんでしたが、こうしてドラマにされると因果関係がよく理解できます(笑)。
 それにしてもメアリの謀反が露見し、傀儡政権樹立の陰謀が潰えても、それでも難癖付けてくるスペインには笑ってしまいます。
 ホントにもう、大国という奴は今も昔もやりたい放題やねえ。

 そしていよいよクライマックス。無敵艦隊の出撃。
 カトリックの賛美歌をBGMに、CG全開の大艦隊。
 十字架を染め抜いた巨大な帆が素敵。
 その威容は、まさに〈神の軍団〉。
 これこれ。これが観たかった!

 ところが……肝心の海戦シーンが短ッ。
 ドレイク提督の出番がほとんどない。なんでやねん(泣)。
 あそこまで盛り上げておいてそれはなかろう。
 まぁ、全体として二時間弱の映画だし、エリザベス女王の内面を描くのに忙しかったという理由はあるとしても、もうちょっと派手にドカーンと〈アルマダの海戦〉を描いて欲しかった……。
 ドレイク提督よりもウォルター・ローリーの方が活躍している〈アルマダの海戦〉というのも珍しいよなあ。

 少しはフィクション交えているみたいですが、全体として史実にはかなり忠実に作られているそうな。
 ローリーが水たまりの上にマントを投げ出すエピソードも史実通りだとか(へぇ)。

 とりあえず未曾有の国難を乗り切ったイングランドは黄金時代を迎えるのだった――というところでお終い。ケイト・ブランシェットには是非ともエリザベス女王の晩年を描く完結編にも出演していただきたい(笑)。
 ケイト・ブランシェットはこのエリザベス女王役で二度ともオスカー主演女優賞にノミネートされながら、二度とも逸している。残念というか何というか。

 ところで、航海士ウォルター・ローリーが実在の人だというのは判るが、宮廷侍女のベスも実在したとは知らなんだ。てっきりこのキャラはフィクションだとばかり思っていました。

 でも『ヴァージン・クイーン』(1955)と云うクラシック映画もある。
 ここではベティ・デイビスがエリザベス女王。
 リチャード・トッドのウォルター・ローリー。
 ジョーン・コリンズのベス・スログモートン……。

 この「女王と侍女と航海士の三角関係」というのは、もはや英国人にはお馴染みの物語らしいですね(笑)。
 忠臣蔵みたいに何度もドラマ化されたり映画化されたりしているのでしょう。
 パッケージのベティ・デイビスが、まさにケイト・ブランシェットと同じような衣装を着ていたので笑いました(いや、ホントは逆ですが)。


●余談
 『エリザベス ゴールデン・エイジ』の中で、一番萌える女の子はフェリペ二世の愛娘イザベラちゃんです。出番はほとんどありませんが、実に印象的でした。
 将来、とてもいい「ツンデレさん」になることでしょう(爆)。

 あのイザベラちゃんはイサベラ・クララ・エウヘニアというそうだが、フェリペ二世にはもう一人、カタリーナ・ミカエラという娘もいたそうな。王女が二人いるならちゃんと映画にも出してもらいたかった。
 映画のラストのナレーションによると、フェリペ二世はその後の十年でイスパニア帝国の経済を破綻させたそうだが(笑)、ジョルディ・モリャの名演技は思わず「さもありなん」と納得のヘタレっぷりでした。

 でもイザベラちゃんには関係ないハナシで、彼女はその後、神聖ローマ皇帝ルドルフ二世の弟であるオーストリア大公アルブレヒトの妃になりましたとさ。

 ネットで検索すると、巨匠ルーベンスの描いたイサベル・クララ・エウヘニア・デ・アウストリア(1566-1633)の肖像画を見ることが出来ます。
 でもちょっとメタボなオバチャンの肖像画だった……。

 あんなに可愛い美少女だったのに(泣)。ひどいよルーベンス。


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