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2009年1月25日日曜日

感染列島

(Pandemic)

邦画を観ると必ずTV局のロゴが表示されるのが、もはや当たり前の時代になりました(笑)。日本を代表する映画会社は、TBSだったのか(爆)。

リアルな映画と云うか、一昔前ならこれは近未来SF映画ですよ。
最近はCGが使えるので、色んな作品で「首都圏壊滅」なシーンを見せられます。
今回もまた無人となった新宿や銀座の映像が流されますが、あそこまで廃墟化させなくても良かったんじゃないか……なんて思いました。致死性の高い感染症の流行で都市機能が麻痺していくのは理解出来るが。
まぁ、でも都市機能が麻痺すると、まず路上にゴミがあふれ出るというのはかなりリアルな描写ではあるかな。
あと火災が発生しても消火活動が出来なさそう、とか。

ウィルス感染によるパニック映画と云うと『アウトブレイク』あたりしか思い浮かばない。古いところでは『アンドロメダ…』とか、『カサンドラ・クロス』あたりもあるが、いずれも局所的な物語だし。
もっと古いと……『サタンバグ』とか(笑)。誰も知らんか。
邦画だと『復活の日』ですか。

物語は、致死性ウィルス感染と戦う医師団よりも、もう少し大局的な社会情勢を描いています。リアルなシミュレーション描写もSFぽい。

新型インフルエンザとみられる謎の感染症の大流行に先立ち、東京某所の養鶏場で鳥インフルエンザの大発生があったりして、なかなかリアルな展開だなと思っていたら、養鶏場の経営者が社会的責任を痛感し、嫌がらせと脅迫電話に神経が参って首つり自殺する──などと云う展開まで描いてくれました。
なるほど、実際にありそうな筋運びです。

現実に新型インフルエンザの大発生が時間の問題だと思われている昨今、実にタイムリーな映画と云えましょう。
加えてTV局ぽい低予算な感じがまったくない。もう堂々とした大作映画の風格すら備えている。TBSのくせに。

特に感心したのは『アウトブレイク』公開時に突っ込まれていた問題──ウィルスの分離に成功した途端にワクチンが簡単にできるなど有り得ないッ──にもきちんと向き合い、ワクチン完成がゴールではないという展開ですね。
ドラマは「感染症の克服」ではなく、如何に「社会が病と共存していくか」を描いていく。このあたりにハリウッド映画にはない視点を感じました。
近い将来、ワクチンは開発されるであろうという希望はあるが、未だ有効な治療法は存在せず、千万単位で国民が亡くなり、社会機能が半身不随になろうと生き残った人々はそれでも生活していくしかないのである。
ここに戦争映画のテイストを感じました。
ある意味、これは戦争そのものである。ラストは、悲惨な戦争が終結した後の戦後の社会をシミュレートしているかのようでした。

主演は妻夫木聡(若手の救急救命医)と檀れい(WHOの役人)。佐藤浩市が友情出演していますが、妻夫木くんより頼りになるベテラン救急救命医だと思っていたら、真っ先に院内感染で命を落としてしまった orz。この手の映画ではお約束ではなるが。
実力派揃いの役者さん達に混じって、爆笑問題の田中裕二や、カンニング竹山なんかも出演して頑張っていました。ソフトバンクのCMでブレイクしたダンテ・カーヴァーも出ていて、物語のスケール感アップに貢献しておりました。
嶋田久作がここにも出ていたし。

それから……何回も書くのもアレですが、邦画は「お涙頂戴描写」をカットしろ。そうすれば120分に納まったであろうに……。


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