ミック・ジャガーが出演しているSF映画『フリージャック』はDVD持ってるが。それを云うなら、キース・リチャーズが出演している『パイレーツ・オブ・カリビアン3』も持っていたな。関係ないか。
デンゼル・ワシントン主演のオカルト映画『悪魔を憐れむ歌』も好きです。ますます関係ない。ストーンズの曲が使用されている映画は他にも沢山ありますし。
それでこの映画『シャイン・ア・ライト』は、音楽映画と云うより、単なるコンサート・ライブの記録映画ではないか。マーティン・スコセッシが監督しているので、何かもっと特別なドキュメンタリーなのかと思いましたが。
どうもミック・ジャガーの側から、2006年秋に自分たちのライブを撮るならトップの監督に、というオファーがあったそうな。
で、その年(2006年)のアカデミー監督賞を受賞していたスコセッシに話が持ちかけられたと云うから、物凄くストレートなハナシだなあ。もし『ディパーテッド』ではなくて、『硫黄島からの手紙』でクリント・イーストウッドが監督賞を受賞していたら、イーストウッドにオファーしていたのだろうか(笑)。
それはそれで、渋いライブ映像になっていたような……。
まぁ、スコセッシのこだわりと演出によって「単なるコンサート・ライブの映像」だけではありませんでしたけどね。当初はブラジルでのコンサートを撮影する企画だったのに、スコセッシの意向でNYの劇場での撮影に企画が変更されたとか。
映画の冒頭は、コンサートの開幕からではなく、この準備段階からの右往左往までが納められています。一種のメイキング映像ですな。狭い空間でクレーンを駆使して撮影したいスコセッシと、観客とのライブ感覚を重視するミック・ジャガー達との意見の相違やら、舞台のセッティングや、演奏曲目が未定のまま進行していく中で、スコセッシがイラつく場面が興味深い。
気まぐれなアーティストを相手にしなければならない生真面目な職人監督の苦労というか(笑)。
その中で舞台装置の主任と監督のやりとりが笑える。
「この大ライトは長く点灯させてはおけません」
「何故だ」
「ミック・ジャガーが燃えてしまいます」
「どういう意味だ。燃える、とは」
「文字通りの意味です。ライトの熱で焦点位置に立つものに火が付くんです」
「そりゃまずい。ミック・ジャガーを焼いちゃいかんだろう」
確かに素晴らしく巨大なライトはギラギラと輝いておりました。数曲おきに数秒ずつしか点灯しない演出になっていましたが、さすがにコンサートもクライマックスになるとギラギラ度もアップして、遂にミック・ジャガーも唄いながら「ケツが熱いッ」と叫んでおりましたな(笑)。
それにしても驚くべきはローリングストーンズの──特にミック・ジャガーの──体力ですな。ホントにこいつら還暦過ぎてるのかと疑いたくなるくらいにキビキビ動いてシャウトする姿に、マジで感嘆しました。
そして監督の意図通りに設置されたクレーンからのカメラによる迫力のアップが素晴らしかった。さすがスコセッシ。
そして数曲おきに、過去のローリングストーンズのインタビューやらニュース映像などが挿入される趣向はなかなか面白かった。
でもブライアン・ジョーンズの脱退とかには一切、触れなかった。スコセッシは飽くまでも「現在のローリングストーンズ」を描ききることに専念していたようです。
選曲された曲目についてはファンではないので何とも云えません。「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」と「サティスファクション」くらいしか聞き覚えないや(汗)。
まぁ、「スコセッシの最高傑作」とまでは言い切る自信はありませぬが、少なくとも並のライブ映像なんかではない、迫力のカメラワークと音響は評価に値するでしょう。
割と面白かったデス。
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