2011年7月29日金曜日

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン (3D)

(TRANSFORMERS : DARK of the MOON)

 遂にこのシリーズも3Dです。CG特撮を使いまくりの作品であるから、3D化は避けられないか。でもこの場合は、やはり日本語吹替版で観るのが宜しいですね。
 3D作品で字幕を追いながら観賞するのは結構、しんどい。
 それに別の理由で、このシリーズは日本語吹替版がいいよね。

 やはりサイバトロンの司令官は玄田哲章ボイスでないと。
 本当は「オプティマス」じゃなくて「コンボイ」と云ってもらいたいのですがねえ。
 それを云い出すとメガトロン様は加藤清三で、スタースクリームは鈴置洋孝でないとイカンのですが、それはもう無理だし……。
 まぁ、劇場版も三作目となり、「オプティマス」とか「プライム」とか云う台詞にも何とか慣れてきました。

 今回は冒頭のマイケル・ベイ風トンデモ歴史観の描写が素晴らしいデス。
 「アポロの月面着陸は無かった」なんぞと云うトンデモより、こっちの方がずっと面白いわ。米ソの宇宙開発競争の真の理由やら、チェルノブイリの原発事故の真相やら、全力で嘘八百の映像を作り上げるスタッフの心意気。
 リアルなニュース・フィルムの映像も使いつつ、その前後に違和感ないよう退色したりスクラッチの入った映像を挿入する。
 そうかー。ケネディ大統領の演説の理由はそうだったのかー。
 もう信じるからな(笑)。

 しかしシリーズも三作続くと、最初の設定から随分と食い違うと云うか、印象が異なってきますね。地球とサイバトロン星の関わりは、非常に歴史がある上に、何度も来訪されていたのか。とても宇宙の片隅にある惑星とは思えませぬな。戦争の趨勢を決める重要戦略拠点じゃないですか。
 まぁ、そんなところに突っ込んでも野暮ですし、マイケル・ベイ監督作品にそんなこと云っても仕方ないデスね。ストーリーも、あって無きが如しですから。

 地球に居候を決め込んだオートボットさん御一行は、米軍にいいように利用されつつ、中東の違法核研究施設を襲ったりしながら生活しておりましたが、とある事件を発端に、冷戦時代から隠されていた事実に気が付きます。
 自分達よりも早く、地球圏にはサイバトロンからの来訪者があった。それこそが行方不明になった先代プライムであるセンチネルが指揮する宇宙船であり、月面に不時着していたのだ。
 急ぎ月に飛んだオプティマスらは墜落船の残骸からセンチネルの遺体を回収し、オプティマスの持つマトリクスのパワーで蘇生させるが、実はそれらはすべてディセプティコン側の計略の一部だった……。

 何故、七〇年代にあれほどまでに月面へロケットが飛ばされたのか、それ以降、宇宙開発がぱったり止んだのは何故か。トンデモ歴史を全力で支える屁理屈の数々が素敵です。
 しかし……。えーと。ディセプティコン陣営の策略の深さには恐れ入るのですが、その策は誰の発案なのですかね。
 確かメガトロン様は十九世紀に北極に墜落した挙げ句、氷漬けになり、二〇世紀中は米国の秘密研究施設で凍結保存されていたのでは。
 だから冷戦時代のことなど知る由もないし、作戦指揮も執れなかったと思うのデスが……(第一、そんなに気の長い人でもないしな)。
 それにセンチネルの宇宙船の飛来時期と、メガトロン様の飛来時期にはかなり時代の差があるので、ほぼ同時期にサイバトロン星を離れたという設定には無理があるでしょう。あとから出発したメガトロン様の方が、百年ばかり先行して地球に到着するとは不自然じゃなイカ。
 うーむ。時空の歪みですかねえ。SF的解釈をこじつけられなくも無いが。

 まあ、メガトロン様がそうなのだと云い切るのだからそうなんだろう。きっとショックウェーブが影でサポートしていたんだよ。今回からの新キャラだけど。
 それにしても今作でのメガトロン様のお姿はおいたわしい。
 前作『トランスフォーマー/リベンジ』で負った深手が癒えておらず、頭部の破損もひどくてあちこちショートしている。それでもスタースクリームらが謀反を起こさず従っているのだから大したものデス。
 破損箇所を隠す為にマントを羽織っているのが『ガンダム00』ぽいぞ。
 しかし自由自在に変型できる割には、負傷しているとトラックに変型してもオンボロだったりするのは何故なんでしょうね。破損箇所はトランスフォームで治せないのかなぁ。
 ──なんて、マイケル・ベイ監督作品で深く考えちゃダメですね。

 とりあえず恒例の激烈カーチェイスなシーンやら、ど派手なロボットバトルがてんこ盛りの二時間半は、見応え充分で大満足でした。
 今回は前作のようにロボットバトルばかりではなく、カーチェイスもあり、変型シーンもたっぷりあって、バランスの取れた構成になっています。
 特に3Dカメラを駆使した撮影は、本家ジェイムズ・キャメロンも賞賛するほどですからな。義理で誉めているわけではなかったですね。
 シカゴ上空からのスカイダイビングの場面なんぞは、3Dで観ないとイカンでしょう。後半の戦闘シーンは3Dのお陰で迫力ありましたし。やはり完全CGで3D映画を作るより、実写素材を駆使して3D化する方が迫力あるのか。

 配役が三作を通じて変わりがないというのも良いですね。
 サム役は変わらずシャイア・ラブーフ。二度も地球を救いながら、大学を卒業しても職がないとは哀れな。まぁ、ヒーローとはそういうものだと『ダイ・ハード4.0』でブルース・ウィリスも仰っていましたね。平時には用無しの存在ですから。
 サムの家族も変わらず登場。父(ケヴィン・ダン)も母(ジュリー・ホワイト)も相変わらず。特に、場の空気を全く読まないお母さんが素敵です。いきなり「家族会議よ!」と叫んで、下ネタトーク全開するお母さん(笑)。
 しかもまるきり関係なさそうな発言が、貴重な助言になったりする。いい御両親だ。

 他にもシモンズ「元」捜査官(ジョン・タトゥーロ)や、NEST部隊のレノックス少佐(ジョシュ・デュアメル)、エップス曹長(タイリーズ・ギブソン)が皆勤賞。
 サムに新しい恋人(ロージー・ハティントン=ホワイトリー)ができているのは御愛敬。
 ゲストとしてジョン・マルコビッチや、フランシス・マクドーマンドといった大物やら、パトリック・デンプシーまで登場するとは豪華ですな。特にマルコビッチが楽しそうだわ(笑)。
 それから、バズ・オルドリンが本人役で登場してオプティマスと会話したりします。
 本物のオルドリン飛行士に「あのミッションは極秘だったのだ」と云われると、リアリティが増しますわ。ホントに信じるぞ。

 とりあえずこれにて三部作完結……なのですが、さっぱり完結しているようには見えませんねえ(汗)。
 ああ、今度こそメガトロン様はお亡くなりになられましたが、これはガルバトロン様として復活するのに必要な過程ですから。これでこの実写版も新シリーズに突入となるのですかねえ。
 そうそう。ガルバトロン様で思い出しましたが……。
 劇中でセンチネルの台詞にちょっと笑いました。

 「多数の幸福は常に少数の幸福に勝るのだ」

 何故にそんな『スタートレック』のミスター・スポックのような台詞を。そりゃコバヤシマル・テストじゃないデスか。
 ──と思ったら、センチネルプライムの声はレナード・ニモイでした(アニメ版『トランスフォーマー ザ・ムービー』ではガルバトロン様をニモイが演じていた)。
 楽屋落ちなネタだなあ(笑)。
 しかしそれなら今回の日本語吹替版でのセンチネルプライムの声が勝部演之だと云うのが納得いかん。レナード・ニモイなんだから、ちゃんと菅生隆之にしないとイカンじゃろう。いや、本音ではレナード・ニモイは久松保夫なのですが(汗)。

 うーむ。字幕版でもう一回、観ようかしら。




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