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2008年12月1日月曜日

ソウ5

(SOW V)

もう毎年恒例。よく年一回のペースできちんと製作できるものだなあ。
五年連続か。皆勤賞。
それを律儀に観に行くオレにも皆勤賞。

この映画のトリックは半ば時間軸が交錯して観るものの思い込みを逆手にとるという手法なので、第四作が第三作の続きではなく、同時並行に発生していた事件であったという「どんでん返し」で驚かせてくれましたが……。
それでは第三作の結末で起きた始末はどうなるの。
自動的に第四作の結末でも未解決のままだった「アノ件」については……。

とりあえず今回の冒頭でそれは解決しました。あっさりと。
二年間引っ張っといて、やけに簡単に。まぁホッとしましたが(笑)。

「時間軸が交錯する」というのがもう定番の展開になるのは設定上、仕方がないことなのですね。
もうジグソウ、死んでるし。なのでどうしても物語としては、〈後継者〉とジグソウの関係の説明と、〈後継者〉が新たに仕掛ける死のゲームの両面で展開していく。
物語の半分は、実は回想シーンなのである。
映画史上もっとも回想シーンが沢山盛り込まれたサイコスリラーでしょう。
回想の中でもどんどん人が死んでいくし(爆)。

おかげでジグソウさんは最初の頃に比べて随分と元気になりました(笑)。
本当にトビン・ベルが出演しない〈ソウ〉シリーズなど有り得ないでしょう。その他にも、過去のシリーズ中に最期を遂げられた方々も、回想の中ではちゃんと生き返って出てくるし。
死んでも出番が無くならない、というのは俳優の皆さんにとっては有り難い作品なのでしょうなあ。

今回は『4』で脇役だったストラム捜査官にスポットが。今度は主役だ。
でもこのシリーズでは主役になると……。
ジグソウの手にかかり殉職した同僚達の敵討ちに燃え、遂に謎の核心に迫ったストラム捜査官を待ち受ける運命とは──これはひどい。あんまりだ。

まぁ、脇役のままでいてもゲームの餌食にされるだけなので、どう転んでも救いはないのですが。

今回は割と残酷度の高いゲームの仕掛けよりも、キャラクターの人間関係とか過去の経緯などを前面に押し立てた結果、物語性が重視された作品となりました。そうは云っても、ゲームの仕掛けが「エグい」ことには代わりはないのですが。
なんせ今までシリーズを通してプロダクション・デザインを手がけてきたデイヴッド・ハックルの初監督作品ですから、仕掛けの凝りようにも気合いが入っています。
今回は初めて「誰が設計した仕掛けなのか」とか「仕掛けの中に放り込む被害者達の性格」まで考慮されているので、残酷殺人マシーンにもキャラクター性が伺えるという(笑)。
いやぁ、そこまで考えて観ている人はいないと思うのですが(爆)。

とりあえず幾つかの謎を解明しつつ、更なる伏線をバラまいており、もう『6』以降に続くことがバレバレ。というか、観ている側も「うんうん。それについては次回でね」という了解事項的演出なので、逆に楽しい。
毎年公開されるので安心していられるというか。

じゃあ、「あの箱の中身」が何だったのかは来年教えてね。

と云うか、来年までに考えておいて下さいよ。頼んます(笑)。


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