2008年12月26日金曜日

ワールド・オブ・ライズ

(BODY OF LISE)

原題の「body」とはどうも「集団・団体」の意味らしい。
まぁ、CIAなんて連中はそういうもの、ということか。正直者はスパイには向いていません(笑)。

レオナルド・ディカプリオ(デカプー)とラッセル・クロウ(愛称はまだ無い)の二度目の競演作──って、最初のヤツはまだ二人がビッグになる前の『クイック&デッド』でしたから、もう随分と昔のことですなあ。あの頃は主演のシャロン・ストーンとジーン・ハックマンばかり有名で、競演していたゲイリー・シニーズやランス・ヘンリクセンに比べても、まだまだ無名な役者でした。
でも今では二人とも『クイック&デッド』出演陣の中では一番の売れっ子になりましたねえ。
そう云えば『クイック&デッド』には、『ソウ』シリーズでブレイクしたトビン・ベルも出演していたのか。なんか貴重な作品かも(笑)。

でもってリドリー・スコット監督にしてみると初のスパイ映画。
刑事や犯罪者が主役なのは何本かあるものの、国際的な諜報員が主役なのはコレが初めてか。
実は弟のトニー・スコットがよく似た構成のスパイ映画を撮っていますね。
『スパイ・ゲーム』は割と好きなんですが。
やはり兄貴としても負けていられないと感じていたのか『ワールド・オブ・ライズ』は、『スパイ・ゲーム』と類似した物語になっています。

すなわち「現場の若手諜報員と遠隔地のベテラン諜報員の関係」という構図がとても似ている。
でも描かれ方は正反対で、『スパイ・ゲーム』ではブラッド・ピット(ブラピ)とロバート・レッドフォード(愛称など畏れ多い)が最後まで信頼関係で結ばれ、ラストでは男同士の友情に熱くなるのに対して、『ワールド・オブ・ライズ』ではデカプーとクロウは最後まで反目し合っている。
云わば「現場の事情を理解しない上司に悩まされる担当者の苦悩」。
うーむ。非常によく判る(笑)。

デカプーが上司のクロウよりも、現場で共同戦線を張るヨルダン情報局の局長(マーク・ストロング)の方に親近感を抱くのも無理はない。
この作品ではクロウは画に描いたような「厚かましいアメリカ人」を体現しています。もう「アメリカ=世界」を押しつけてくる傲慢な男。
ヨルダン情報局長の方が、よほど紳士的であり、狡猾に見える。
クロウはデカプーから見ると「邪魔ばかりする無能な上司」なのであるが……。
実は「厚かましく無能な男」と相手に思わせるのがクロウの手だったりするあたりが、煮ても焼いても食えない古狸。しかも同僚のデカプーすら状況によっては切り捨てる決断を下す非情な男だったりする。やはり腐ってもスパイか。

ラッセル・クロウはこの古狸を演じるに当たって、体重を20キロ増量してデップリしてしまったが、昨年の『アメリカン・ギャングスター』と見比べると別人のようかも。実は『アメリカン・ギャングスター』は未見なので……。
そう云えばこれもリドリー・スコット監督作品やね。
リドリーはクロウがかなり気に入っているらしい。
さすが『トロピック・サンダー』でネタにされるほどの「やりすぎ役者バカ」ですなあ。第二のロバート・デニーロ。

一方、デカプーはもうアイドル俳優ではありませんね。
いやあ、『タイタニック』の印象がいつまでも残ってしまって、マーク・ウォルバーグやマット・デイモンなんかに比べてもイマイチな印象でしたが(なんとなく童顔だし)、『ディパーティド』『ブラッド・ダイヤモンド』と連続して男臭い役に挑戦し、見事に俺的イメージを払拭してくれました。

それにしても近年のハイテクを駆使した諜報戦とは恐ろしいものよのう。
ただこの映画では、ハイテクをどんなに駆使してもローテクには敵わないという描かれ方をしているのが面白い。テクノロジーに頼りすぎても限界があるのである。
テロリストさん達の徹底したローテク戦術には追いつけない。
どんなに世界中の携帯電話を盗聴できても、相手が電子機器を使うのを止めてしまえば効果ないわなぁ。
このあたりにアメリカの限界と云うか、もう中東にちょっかい出すのを止めればいいのに、とか思ってしまいます。
最後にものを云うのはヨルダン情報局長が駆使する人心操作術。
だからぁ。アラブ人と騙し合いをしても敵いっこないのに、それでも負けを認めないアメリカ人という奴らはもう度し難いと云うか……。

でも監督曰く「この映画に政治的メッセージなんかないよ」だそうです。
あくまでも「スパイ映画が撮りたかっただけ」なんだそうな。


リドリー・スコットの次回作は、またしてもラッセル・クロウを起用したロビン・フッド映画だとか。クロウがロビン・フッドかよ。うーむ。


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