2010年4月1日木曜日

アーマード/武装地帯

(ARMORED)

 劇場公開に漕ぎ着けることが出来たのは、配給会社担当者の執念の賜物だったのでは(笑)。
 どう考えても、DVDスルーされて「劇場未公開の隠れた秀作」とか云われたりする類の作品でありましょう。劇場公開が奇跡的なものだから、パンフレットまでは作られていません(笑)。

 それにしても趣味に走った配役だこと。
 マット・ディロン、ジャン・レノ、ローレンス・フィッシュバーンですよ。この濃すぎる面子(笑)。オヤジ好きには堪らぬものがありましょう。
 おまけに、フレッド・ウォードまでいる。『レモ/第一の挑戦』以来、第二が来なくてどうしていたのかと思いきや──『トレマーズ』という大傑作もありましたが──、渋いジジイになったねえ。

 主演はコロンバス・ショートなのに、共演する役者の方が大々的に宣伝されているとは可哀想です。あの宣伝の仕方では、主役はマット・ディロンだと勘違いしてしまいそうです。
 まぁ、主役を食うほどの役だから、あながち間違いではないか。

 コロンバス・ショートは『ホワイトアウト』──ケイト・ベッキンセールが主演した南極基地を舞台にしたサスペンス映画(織田裕二と佐藤浩市のアレではない)──にも出演していたファンキーな黒人の兄ちゃんでありますが、なかなかの役者ですね。

 この手の低予算サスペンス映画は、脚本と役者の演技が全てと云っても過言ではありますまい。
 大がかりな仕掛けはありません。多分、制作費は題名にもある〈装甲車〉の調達費用と、オヤジ俳優達へのギャラでほぼ尽きてしまったことでしょう。
 オヤジとアニキ「しか」登場しない映画です。そこが逆にいい。

 物語の筋は、いたってシンプル。

 Q : 銀行から大金をせしめる最も簡単な方法は何か。
 A : 現金輸送車の警備員が全員でグルになって盗むことである。

 ホントにそんなに簡単にいくのかよ。

 まぁ、色々とB級ムービーの粗探しをすればキリがありませぬが、とりあえず主人公は悪党ではないのに、諸般の事情から現金強奪の片棒を担ぐ羽目になるまでの説明が無理なく描かれているのが好感持てます。
 そして計画は順調に進行していくのですが……。
 予想外の展開から、計画にはどんどん狂いが生じていく。そうでないと面白くない。
 まぁ、当初からマット・ディロンの立てた計画が杜撰であったとしか云いようがないのですが。もう少し綿密に計画立てろや(笑)。

 結局、主人公はギリギリのところで良心に目覚め、現金強奪を阻止するべく単独で現金輸送車内に立て籠もってしまう。強固な装甲車に籠城したはイイが、敵になってしまった同僚達からどう自分と現金を守るか。
 上映時間は九〇分弱と短めで、導入部分の状況説明に二〇分前後。
 ストーリー上では、現金輸送車から警備会社への定時連絡の間隔が五〇分。次の定時連絡までの間に、手早く現金を隠し、全員で口裏を合わせて狂言強盗を装うつもりだったのに……。
 計画発動からの時間経過が、ほぼリアルタイムという演出もなかなか巧いです。

 限定された空間で展開する心理戦──実に低予算映画ぽい。
 最初は頭脳犯らしくスマートなところを気取っていたマット・ディロンが、どんどん凶暴になっていく演技が見物であります。やっぱり主役はこっちかなあ。

 難を云えば、この現金輸送メンバーのキャラクターの描写がイマイチ弱いところか。一応、全員に強奪計画に参加する動機があるらしいのですが、主人公以外ははっきりしない。その所為で御都合主義的描写にしか見えない残念な箇所があります。
 割と面白いキャラが揃っているのに、ちょっと残念。

 この映画の監督は、ニムロッド・アーントル。あんまり聞いたことのない監督さんですが、前作が『モーテル』だと知り、何となく腑に落ちました。低予算サスペンス映画を巧く撮れる若手の監督ですね。
 でも次回作は結構な大作になりそうな気がする……。
 アーントル監督の次回作は、あの『プレデター』のリメイクかあ。『プレデターズ』は今夏公開予定だそうなので、それに先だって本作が公開されたのでしょうか。




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