2010年1月24日日曜日

かいじゅうたちのいるところ

(WHERE THE WILD THINGS ARE)

 これも怪獣映画。ホントに?

 ジム・ヘンソン亡き後でもクリーチャー・ショップの皆さんの造形は素晴らしいデス。ジムも草葉の陰から喜んでいることでしょう。
 あえてCGに頼ることなく、昔ながらの着ぐるみ特撮に挑んだスパイク・ジョーンズ監督のセンスは素晴らしいデス。

 砂丘の急斜面を歓声を上げて転がり落ちる〈かいじゅう〉、とても楽しそう。
 でも実際には、スーツアクターの人は決死の覚悟で撮影に臨んだのだろうなあ。大人になると映画鑑賞にも雑念が(汗)。
 はいはい。もうあんたの瞳は子供の頃の輝きを失ってしまいました!

 書店では原作の絵本が大々的に宣伝されて平積みされておりますね。立ち読みしました。あの絵本の画が、実に忠実に立体化されています。ビジュアル的には満点の出来でしょう。

 しかし……。
 原作の絵本からして、そうなのですが……。
 コレ、面白いの? なんでそんなに売れているのだ。世界的ベストセラーだと云われているが、よく判らりません。子供が読めば面白いのでしょうか。
 でも優れた絵本は大人の観賞にも耐えられるとされていた筈なのですが……。
 「二〇世紀最高の絵本」ねえ?

 しかし原作ありきでの映像化としては、スパイク・ジョーンズの手腕は確かです。しかも絵本では省略されている部分の補完もよく考えられている。
 社会派の監督らしく、現実世界の比喩とも解釈できる展開などもあって、なかなか意味深な場面もあるのですが……。

 子供の持つ純真さとか、無邪気さとか、無神経さとか、身勝手さが実によく表現されていました。
 でもそれだけ。
 つまり「子供とはそういうものだ」ということは実によく理解できるのですが、だからどうだというのか。
 この映画に於ける主人公の少年マックスは、実はさっぱり成長しないのである。

 家庭の状況が自分の望んだとおりにはならない、というのは判りますよ。
 だから現実から逃避する。これも判る。
 逃避した先の〈かいじゅうたちのいるところ〉で楽しく過ごす。
 でも、そこにもやはり思い通りにならない不満がある。
 そこでマックスは現実へ帰還する。

 かいじゅう達を見捨てて! ナニも解決せずに! また逃避したのだ!
 そして家に帰って、おしまい。ママを死ぬほど心配させて反省なしかよ!

 まぁ、教訓的な物語がそんなにいいのかと問われれば、それだけじゃないと云いたくなるものですが……。
 実際、幼い少年が一晩プチ家出しただけで、精神的に成長して帰ってきたら、そっちの方が不自然なんでしょうけど。

 なんとも中途半端で、「だからどうした」と云いたくなる物語でした。
 監督としては安易な解決に流れたくなかったのだろうし、そもそも教訓話を作る気もないと云うことなんでしょうが。
 なんともビターな味わいです。今はまだうちのムスメには見せなくてもいいか。

 うーむ。
 着ぐるみの出来は世界最高水準なのになあ。




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