2009年5月19日火曜日

バビロンA.D.

(BABYLON A.D.)

なんか久々にヴィン・ディーゼル主演のSFアクション映画です。
『ピッチブラック』『リディック』あたりまでは良かったが、『トリプルX』でミソ付けてしまい、あとはビデオ・スルーしてしまうようになってしまったディーゼル兄貴──『キャプテン・ウルフ』はヒドかった──ですが、4年ぶりに復活か。

まぁ、その。4年間の間にお疲れになりましたね、と云うか……。
『ピッチブラック』の頃の精彩さに欠ける、と云うか……。
ちょっと肉が付いて丸くなったんぢゃね? という残念な感じが漂ってしまいます。
まぁ、紛争地帯でその日暮らしをしている昔は凄腕だった傭兵、という設定が似合うと云えば似合うのですが。

原作は、日本では珍しいフランスSF小説で、異様に分厚い新書サイズで翻訳が出版されていますが……。解説だけ読んだが、結構ボリュームたっぷりで内容の濃い小説だそうである。
それを映像化したのがコレ。米仏合作で、監督もフランス人。マチュー・カソヴィッツ監督というと『クリムゾン・リバー』ですが、私は未見でした。
『フィフス・エレメント』や『アメリ』には俳優として出演もしておりますが、監督としての手腕もなかなか。

よくあるブレードランナー式「荒廃した近未来」の背景がなかなか雰囲気あって、ビジュアル面ではかなりの力が入っているように感じました。まぁ、ベタと云えばベタであるが、奥行きのある画面作りにセンスが光っています。
特にアメリカ人的感覚ではない近未来図がなかなか興味深い。

物語はかなり原作を簡略化したそうですが、映画としては巧く脚色してあると云うべきでしょう。
傭兵が一人の少女を目的地まで送り届ける仕事を押しつけられて始まるロードムービー。旅の過程で背景説明や、キャラの設定などが紹介されていく展開はベタですが巧い。

配役も、主演のヴィン・ディーゼルの他に、ミシェル・ヨー、ジェラール・ドパルデューなどがいてそれなりに豪華。特にシャーロット・ランプリングが敵である近未来新興宗教の教祖役というのが面白かった。
いやぁ、シャーロット・ランプリングも久しぶりだなあ。

それなりにアクションも頑張ってるし、近未来的な小道具の使い方もセンス良くて、ラスト近くまではいい感じに展開していたのですが……。
エンディングに意表を突かれました。
え? ここで終わりなの? という感じ。

確かに上映時間がたったの90分しかないのですが、ドラマの結末としてはナニが何やら。ものすごく無理矢理な感じ。
聞くところによると、制作会社が勝手に尺を詰めてしまったそうな。
20分カット説と50分カット説があって、どちらにせよ監督大激怒だそうである。無理もない。

あまりに唐突なエンディング。
投げっぱなしで放置されてしまったネタの数々。誰が観ても伏線じゃなかったのかよ的な感想を抱くことでしょう。

特に大女優シャーロット・ランプリングまでも放置してしまったエンディングは、潔いというか何というか。
まるで作者急逝により未完となった小説を読まされたような不思議な気持ちになりました。近年、珍しいほどの未完成っぷりです。ある意味、すごい(笑)。

ディレクターズカット版は……出るのだろうか。


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