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2008年11月27日木曜日

トロピック・サンダー/史上最低の作戦

(TROPIC THUNDER)

監督・脚本・原案・製作おまけに主演という、ベン・スティラー入魂のバカ映画。
一応、『地獄の黙示録』『プラトーン』『ランボー』路線のベトナム戦争映画をネタにしたパロディ映画ではありますが、それ以上にネタにしている映画が多数あって、映画好きには堪らないでしょう。
あからさまなパロディ映画よりも、パロディの処理の仕方が捻っている分、マニアックであります。

主演の三人組──ベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニーJr──ばかり目立っていますが、なんかハリウッドの有名俳優達がボロボロとカメオ出演しているのが素晴らしい。
チョイ役でトビー・マグワイアとか、ジョン・ボイトとかが顔を出してます。ただし、今回はオーウェン・ウィルソンが病欠しているのが残念。代役がマシュー・マコノヒーらしく、あのマコノヒーが軽薄な役を楽しげに演じております。
他にも脇役にニック・ノルティがいたりするのが楽しい。

豪華なカメオ出演は、すべてベンの人脈だそうな(笑)。友達付き合いのいい人だなあ。
なかでも特筆すべきは──トム・クルーズ! 最初は信じられなかった。
ものすごいメイクなので、最初はトム様だとは気がつかなかった。目元がアップになったときに判った。
凄い。しかも強烈な役です。隠れた主演である。
クライマックスの爆発シーンでベン・スティラーが『M:I:3』ばりに吹き飛ばされているのは確信犯的オマージュだったのだ。

あとロバート・ダウニーの黒人演技が素敵です。久々に白人が顔を黒く縫って黒人を演じるという映画を観た(笑)。これってアメリカでは人種差別的表現なのでタブーらしいが、敢えてギャグにすると云うのが開き直ってます。

ネタにされた俳優さん達の感想を聞いてみたい。
特に「アルパ・チーノ」という名前はあからさま過ぎないのだろうか(笑)。
CGで一人何役もこなした……というのはエディ・マーフィだし。
それにショーン・ペンの感想も訊きたい。

物語の設定上、ベンは落ち目のアクションスターで、演技派への転向を図って「知的障害者の役」を演じたが話題にならなかった──と云うことになっている。
そこを演技派ロバート・ダウニーに指摘される。
「ただの知的障害者じゃオスカーは獲れない。『レインマン』のダスティン・ホフマン、『フォレスト・ガンプ』のトム・ハンクス、『チャンス』のピーター・セラーズを見ろ。ただの知的障害者じゃないから受賞したのだ。単なる知的障害者を演じただけでは『アイ・アム・サム』のショーン・ペンと同じだろうが。ペンは受賞してないだろ」

そこまで云っていいのか? でもショーン・ペンもカメオ出演しているので、きっと了解を得ているのであろう。洒落の判る人たちだなあ。
結構、アブないギャグがてんこ盛りなのもベン・スティラーの考えのようである。

ベン・スティラーはこの先、監督業に専念した方が面白い映画を沢山作ってくれそうな気がする(笑)。


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