CGアニメ版の『宇宙の戦士』シリーズは未見なのですが、ウケているのか。
最初にスチール写真とか見た段階では、どう考えてもB級以下。センスのカケラもないダサダサなパワード・スーツ(一部では『ロボジョックス』かよ!とまで云われていたそうな。ヒドい云われようだ)。
監督もポール・バーホーベンじゃないし。
そもそもフィル・ティペット初監督作品だった『2』はさっぱりいい評判を聞かないし。もう『3』はそれに輪を掛けてC級全開で、諦めにも似た気持ちで劇場に骨を拾いに行ったワケなのですが……。
意外と良かった。びっくり。
低予算であるのは否めないが、CGがリアルになっている分、昔ほど落差が激しいわけではない。
監督のエド・ニューマイヤーは『ロボコップ』の頃からバーホーベンと一緒に仕事していただけあって、『スターシップ・トゥルーパーズ』の肝が何処にあるのかちゃんと判っている感じである。
ツボを押さえた演出がキチンとバーホーベン流になっているので安心です。
更に輪を掛けたようなギャグも幾つかあって……。
何はともあれ、全体主義国家になった〈連邦〉を皮肉るプロパガンダCMが健在だったのは嬉しい。
そして主題歌「今日は死に日和」がサイコー。これは劇中で歌われる軍歌であると同時に、映画のエンディングに流れる主題歌でもある。バカバカしくも熱い血潮がたぎりそうな歌詞がイカス!
しかも最高司令官自らがこの戦意高揚ソングを熱唱して(かなり自己陶酔)、それでもって熱狂した連邦市民からアイドル視されるという……(爆)。
バーホーベンでもそこまではやらんだろう的なギャグが炸裂しています。
難点を挙げるなら、やはりパワード・スーツね。
こればかりはデザイナーのセンスを疑わざるを得ない。頼むから「あの強化服」を見せてくれよう(泣)。
してみると〈スタジオぬえ〉って、優れたデザイナー集団だったのだなあ。
劇中では〈マローダー〉と呼ばれていたので、きっとアレは「俺の強化服」ではないのだと無理に自分を納得させていました。
どう考えても原作の描写とは異なる。「服」ではない。ロボット的に搭乗して操縦するという感覚である。
「原作の強化服」→「機動戦士ガンダム」→更に逆輸入して映像化……とでも云うような図式なのかしら?
どっちかというと『装甲騎兵ボトムズ』のATの方に近いイメージではあるが、プレステのゲーム『アーマードコア』がかなり混入してます。
が、私でも『アーマードコア』をプレイするときには「右手がガトリングガンで、左手が火炎放射器」なんぞというバランスの悪い機体にはしないぞ。両肩のキャノン砲も……。
まぁそれでもバグの大軍相手に無敵っぷりを披露してくれるあたりはイイ感じなのですがね。
キャスパー・ヴァン・ディーン演じるジョニー・リコが帰ってきてくれた点も嬉しい。出世街道から外れて大佐以上にはならず、生涯現役宣言なバカ軍人でいてくれてありがとう。
そうだ。リコ大佐と一緒にキミも戦おう!
〈マローダー〉に乗りたいか? さぁ、機動歩兵に入隊だ! 戦場で会おう。
うーむ。
ニューマイヤー監督はこのままヴァン・ディーンと一緒にTVシリーズ化も検討しているそうな。大丈夫なのか。
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