でもこれが実写化される御時世というのが凄いです。
しかも原作への敬意がちゃんと払われている。まぁ、世界観の演出には色々意見もあるでしょうが、私としてはこれもアリかと。
それなりに凝った美術。ティム・バートンがデジタル全開になるとこんな感じになるのだろうか。
60年代のアニメを出来る限り実写世界に持ち込むので、かなりベタなギャグも散見されますが、今の子供たちには新鮮なのかなあ。それともアメリカ人の感覚があんなものなのか……。
アニメ版のキャラのイメージがそのまま維持された配役が見事です。
特にパパ役のジョン・グッドマンと、チンパンジーがイイ!
あの末っ子のガキとチンパンジーが縞々の帽子を被っているあたりに「愛」を感じました(笑)。
ついでに悪役レーサー達のキャラ造形がもうバカバカしくて笑えます。これもタツノコ的と云うのか……。
それにしても「スピード・レーサー」ってのが主人公の名前であるというのが、米国人の感覚はよく判らんというか、ベタというか……。
レーサー家の次男坊がスピードくん。現実に息子に「ジェット」と名付けてるジョン・トラボルタがいるのであながちリアルではないと云い切れぬ。怖ろしい。
で、長男の名前がレックス。
するとお兄さんのフル・ネームは「レックス・レーサー」。もしや兄なのではと疑われる〈覆面レーサー〉は「レーサーX」……。少しはヒネッた偽名にしようよ(笑)。
マッハ号のデザイン、特殊装備すべてオリジナルのまま。効果音まで!
特に各装備の見せ場を最低一回用意していますが――偵察カメラは出番無しでしたが――、あのオート・ジャッキによるジャンプだけは多用していました。
もうマッハ号がバッタみたいにピョンピョン飛び跳ねまくり。
好きなんだねえ(笑)。
全体としてオールド・ファンでもそれなりに満足できる仕上がりでした。
まあ、CGでカーレースを描くので、まんまゲーム感覚。『リッジ・レーサー』みたいなドリフトなのは御愛敬か。
それより脇キャラで真田広之と一緒に、韓国人アイドルの〈ピ〉が出ているのがよく判らなかった。まあタツノコ的無国籍アニメとは云え……。
〈ピ〉の役名はテジョ・トゴカーン。韓国名ぽいけど。
でもテジョの妹はハルコ。日本人? さすがにトゴカーンは日本の名字ではないよな。
もしやウォシャウスキー兄弟には日本も韓国も一緒に見えるのだろうか。大体、忍者がカンフー技を使うあたりが、もはや忍者ではなくニンジャである。判ってやっているクサいが(笑)。
いや、実はトゴカーン家には複雑な裏設定があるのかも。
何故、ミスター武者(真田)はトゴカーン工業の買収にあれほど執着し、ローヤルトンと密約まで交わしたのか。実は武者モーターズとトゴカーン工業には深い因縁があって、トゴカーンの息子が韓国名で娘が日本名なのもそれに由来していたりする――のはきっとすべて気のせいでしょう(爆)。
エンディングの旧アニメ版主題歌のリミックスは結構、気に入りました。
でもオリジナルのままの主題歌をそのまんま流してもらう方がもっと良かったのに。
●余談
香港でフルCGアニメによる『ガッチャマン』の映画化という企画もあるそうな。しかし香港で作るなら『破裏拳ポリマー』の方がいいのでは……。
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