翻訳された原作小説は『――をブッつぶせ!』。ビミョーに「ブッ」とか「!」とか、より過激な表現になっていますが、なんで違うのだろう。
過激とは云え物理的にラスベガスを破壊するわけではなく(怪獣映画じゃないんだから)、ギャンブルで大勝ちして大金をせしめよう――しかも合法的に――という映画です。カジノ側は破産するでしょうが。
ここで狙われるのがブラックジャック。
原題の『21』とはブラックジャックの最高得点の意味。主人公の年齢も二一歳であることと掛けた題名ですな。
トランプを使ったギャンブルの中で、ブラックジャックだけは数学的に勝敗の確率を正確に計算することが出来るのだそうです。へぇ。
動体視力と記憶力と暗算能力に長けていれば勝てるのだ。ほんまかい。
このカード・カウンティングという手法は訴訟沙汰にまでなったけれど合法であるとの判決が下され、カジノ側としては打つ手無し。
でもまぁ、ヤクザな世界ですから、カウンティングしているとバレたら最後、怖いお兄さん達がやってきて、「お客さん、ちょっと……」と地下室に連れ込まれ、殴る蹴るの暴行を受けた挙げ句に「二度と来るな!」と放り出される。
この怖い用心棒を演じているのがローレンス・フィッシュバーン。『マトリックス』の頃はもっと痩せていたのに、最近はちょっと肥えてきたなあ。貫禄がついたと云うべきか。
カジノの警備システムが電子化されていく中で、邪魔者扱いされつつもカウンティング摘発に抜群の才能を発揮する。「機械にゃ見破れないだろ」とアナログ者の誇りを覗かせる憎めない役です。
ここへ乗り込むのがケヴィン・スペイシー演じる教授に率いられた大学生チーム。演算能力を見込まれスカウトされた主人公も学資稼ぎという目的でチームに参加するのだが……。
主演のジム・スタージェスが好感度高いです。若手俳優を先物買いしたい方にはお奨めだ(笑)。
ケヴィン・スペイシーは原作の映画化権を買い、製作まで努めるという惚れ込みよう。目の付け所がいいね。自分自身は「善人のように見えて、実は一番の悪党である」という役を楽しげに演じておりました。
ブラックジャックのルールを知らなくても楽しめる演出が巧い。
カウンティングの練習も、なんかスポコン映画の特訓風(笑)。
またボストンの古風な街並みと、ベガスのギンギラな街並みの対比が印象的でした。まさに別世界に来たという感じ。
監督は『キューティ・ブロンド』のロバート・ルケティック。うーむ、全然知りませんでした。大体、ロマンチック・コメディーは私の守備範囲外だし。
でも雇われ監督としては水準以上の技量があるらしい。
『キューティ~』観てみようかしら。
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