2008年4月20日日曜日

大いなる陰謀

(LIONS for LAMBS)

 カタカナ邦題にしなかった点はいいが、ロバート・レッドフォードが監督・出演するからと云って『大いなる勇者』と『大統領の陰謀』を足して二で割った邦題というのも芸がない。
 オールドファンには懐かしい響きだけど、他に案はなかったのか?

 第一次大戦中の英国歩兵部隊を揶揄したドイツの将軍の言葉――〈羊に率いられた獅子〉が原題。ナニを表しているのかは判りますね。

 アメリカはホントは強いんだ!
 今の上層部がヘタレなだけなんだ!
 これ以上の屈辱は我慢できない!
 我々にはパワーがあるッ。
 50年以上、封印してきた「あの兵器」さえ使えれば、対テロ戦争に勝利できるんだッ。
 勝ちたいだろう? 勝ちたいよな?

 ――と、考える共和党上院議員(トム・クルーズが素晴らしい)が陰謀をめぐらす訳ですが(笑)。
 しかしここまで説教クサい映画だとは思いませんでした。よく云えば啓蒙的。

 政治家、マスコミ、兵士、教師という立場の人々の主張、理想がぶつかりあう社会派ドラマ。トム・クルーズも悪人ではない(それがまた困ったところ)。
 現在のアメリカのねじれた部分が思いっきり開陳される。

 ロバート・レッドフォードが云いたいことははっきり判ります。
 目をそらすな! 決断しろ。何もしないというのも決断だ。決断には責任取れ。
 アメリカ人にとっては重たいネタです。

 でもこのロバート・レッドフォードの主張をまともに受けとった日本人はどうするべきなのだろう?
 とりあえずチベット問題に関心向けるとか?

 しかし最近のハリウッドは共和党には批判的ぢゃのう。だんだん政治的に云いたいことをズケズケ主張する映画が増えてきたように感じられる。かつてのニューシネマ路線が復活するのだろうか。今のアフガン・イラク派兵の状況がベトナム戦争末期の泥沼に似ていなくもないという意味ではそうなのでしょう。
 でも民主党が政権獲ってもあまり状況は変わらないような……。

 基本的にはディスカッションのみで進行する映画。
 三つの地域で独立して進行するドラマがリンクしていく構成は見事です。しかもほぼ完全にリアルタイムで始まって終わる。たった一時間半の出来事。

 脚本がマシュー・マイケル・カーナハン。
 昨年の『キングダム/見えざる敵』もこの人の脚本だった。政治的なメッセージが脚本の行間ににじみ出るのが特徴の人らしい。今後注目の脚本家であると『キングダム』のピーター・バーグ監督も御推薦でした。
 そう云えば『大いなる陰謀』にも、ピーター・バーグが脇役で出演していました(笑)。


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