セルフ・パロディなんだけど……(それだけ過去の遺産が豊富と云うことか)。
アニメのヒロインが現実世界に彷徨い込むというのが笑える。日本で製作するとちょっとイタい話になりそうなところですが、そこはあくまでも「夢とファンタジー!」な物語に仕上げています。腐ってもディズニーですから。
全体として108分、冒頭のアニメが約10分。
実はこの冒頭のアニメ部分への気合いの入れようが半端ではない。
最近の「CGに魂を売り渡してしまったディズニー」ではない、『美女と野獣』や『アラジン』の頃の、「あのディズニー」のアニメを観ることが出来るのです。
この冒頭部分だけでも必見。
そのあとに続く実写部分の伏線をここで詰め込んでますし。
アニメ・キャラが次々と現実世界に現れるわけですが、どいつもこいつも見事なまでにイメージ通りというのが巧い。キャスティングには相当、苦労したことでしょう。
やはり主役のエイミー・アダムスが勝利の鍵である。
アニメのプリンセスを堂々と、まったく照れることなく演じきっております。
なかなか出来んよなぁ(笑)。
悪の女王がスーザン・サランドン。こちらも貫禄だねえ。
私は女王の手下、ティモシー・スポールが気に入りました。
笑えるのが王子様。異常にさわやかでハイテンションな王子を軽やかに演じているのがジェイムズ・マースデン。誰かと思えば『X-MEN』のサイクロプスじゃないか。バイザー掛けてないから判らなかったぞ。
歌うサイクロプス。ミュージカル出来るんだ(笑)。
音楽が『美女と野獣』や『アラジン』のアラン・メンケン。自分で自分の曲のパロディするというのは難しかったのか簡単だったのか……。
しかしさすがと云うべきか、今年のオスカーでも三曲同時ノミネートされておりました。これはサントラCD買ってもいいぞ。
そしてメンケンの曲で実写のミュージカル・シーン。アニメのパロディでもあり、更に元ネタの元ネタまで遡った『サウンド・オブ・ミュージック』とかへのオマージュにも繋がるという見事なシーンです。
パロディといえど、本気で作っている。
それはクライマックスの舞踏会にも感じられる。
何が何でも『美女と野獣』の舞踏会シーンを再現してやるんぢゃあ、という製作の意気込みが伝わってきます。異様に豪華。
現実世界が「魔法にかけられて」いくという過程がディズニーらしいというか。
プリンセスの純真さが周囲に影響を与えていく、というのも昔ながらの映画の伝統やねえ。
どんなにギスギスした都会のキャリア・ウーマンも、心のどこかに乙女チックなハートを隠している、というあたりが娘さんと一緒に見に来たお母様達にも受けることでしょう(笑)。
●余談
うちのムスメは気に入るかなあ。
まだ早いかなあ。アニメ部分は気に入るだろうけど、本編はどうかな。『仮面ライダー電王』とか観ているから平気か? 小学生以上の女の子なら大丈夫か。
東京ディズニーランドのパレードに、ジゼル姫はいつから登場するのであろう。
6人いるプリンセスが今度から7人になるのかしら。
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