2008年2月27日水曜日

スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師

(SWEENEY TODD : The Demon Barber of Fleet Street)

 うーむ。
 陰気なミュージカルぢゃのう。

 かの猟奇人肉パイ事件の三度目だか四度目だかの映画化――と云うか、そもそも実話だったと云うこと自体が怪しいらしいが――である。もともとは19世紀ロンドンの都市伝説だったものを70年代に戯曲化したのが始まりだったそうな。
パリのグラン・ギニョル劇場での上演というあたりで、内容は推して知るべしですな(笑)。
 よくそれをブロードウェイでミュージカル化しようとしたもんだが。

 映画としては今回が初のミュージカル化。
 ネタが猟奇なので『ヘアスプレー』みたいに明るくハッピーな歌詞など無い。
復讐を誓う男の暗い情念をデップくんが切々と歌います。演歌やね。

 歌うジョニー・デップというのも珍しいが、アラン・リックマンまで歌わせるか。デップ&リックマンのデュエットという、世にも奇妙なものを観てしまいました(笑)。
 バートン作品の常連としてはもう一人、ヘレン・ボナム=カーターもいますが、この人の歌うところも初めて観たか。役者の皆さんは結構、初挑戦だったのだなあ。
 作詞作曲はブロードウェイ版そのままのスティーブン・ソンドハイムという人。

 しかしどちらかと云うと、この映画は歌曲よりも視覚的な方面が特徴的です。
 『コープス・ブライド』と同じく、ほとんどモノクロで陰鬱な世界に、一部だけ鮮やかな色を付けるという演出が冴えています。美術監督と撮影監督、いい仕事してます。スタイリッシュで様式化された映像が素晴らしいです。
 別にミュージカルでなくてもいいくらい(笑)。
 案の定、今年のオスカーで美術賞を受賞しましたが、歌曲賞は逸しました。

 一方、デップくんはスウィーニー・トッド役でオスカー主演男優賞にノミネートされましたが、惜しくも(またしても)受賞を逸してしまいましたね。今回は競う相手がダニエル・デイ=ルイスだったからなあ。分が悪い。
 競合相手がジョージ・クルーニーやヴィゴ・モーテンセンだけだったなら受賞していたろうに。トミー・リー・ジョーンズに勝てたかどうかはビミョーですが。
 デップくんはこのままポール・ニューマンみたいに〈無冠の帝王〉と呼ばれるようになるのだろうか。

 作品自体は、何処を切ってもティム・バートン印。
 これからも独特な世界観で突っ走ってもらいたい。たまに『猿の惑星』のリメイクみたいな大失敗やらかすとしても。


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