もうこれで幾つのバージョンが存在するのであろうか。
ワークプリント版、劇場公開版、完全版、最終版(ディレクターズカット版)そしてファイナルカット版か。ついでに私も、ビデオテープ(ベータだぜ!)、LD、DVD、ブルーレイ……。メディアが変わる度に買っている(泣)。
かつて『ET 20周年記念版』を製作したスピルバーグの姿勢をアレコレ云いましたが、リドリー・スコットよ、お前もか!
デジタルというのは魔性のツールやねェ(笑)。
公開後十五周年の『ブレードランナー ディレクターズカット版』に続いて、二十五周年記念の『ファイナルカット版』とは。何処がどう違うのか。
結論から云うと、ほとんど変わらない。ディレクターズカット版のまま。というか、ディレクターズカット版とはそうあるべきでしょう。
でも実はクリアになった映像と迫力の音響が大違い。同じシーンでも全然違う。
観終わってからディレクターズカット版のDVDと見比べると、あれほど鮮やかだった画面が暗くてつぶれていたのにびっくりしました。
どうせDVDは買うけど、その前に劇場で観てよかった。あの音響は感動ものです。
冒頭のヴァンゲリスのメロディと、ドドーンという効果音。鳥肌が立ちました。
これはやはり家庭のオーディオ環境よりも、シネコンの音響設備の方が優れているからということなのか。
あと、長年指摘されてきた「レプリカントの勘定が合わない」点をセリフを差し替えて対応していたり、スタントマンが役者に似ていない場面を追加撮影で差し替えたりしています。が、些末な変更です。
私はそうと判ってみても、逃走するジョアンナ・キャシディが本人なのか、スタントなのか見分けることが出来ないのですが(汗)。
一番、「おや?」と思うのは、レプリカントの「眼」。
いわゆる「赤目」になるという演出が強化されていて、ディレクターズカット版では赤目になっていないショーン・ヤングが、いたる部分で赤目に(笑)。
ついでにハリソン・フォードも、ビミョーに赤目に!
やっぱりレブリだったのか、デッカード!
……ナニを今更な演出ではあるが、監督の意図は強化されたな(笑)。
さて、あとはDVDボックスに収録されるワークプリント版さえ観れば、遂にグランドスラム達成である。
いや、この調子ではきっと十年後にまた新たなバージョンが出来るだろう。
『超立体 ブレードランナー 3D』とか(爆)。
●余談
『ブレードランナー』をこれほど何回もアップグレードしながらリリースするなら、同じリドリー・スコット監督作品の『レジェンド/光と闇の伝説』も別バージョンをちゃんとリリースしてもらいたいものである。
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ブレードランナー ファイナル・カット 製作25周年記念エディション [Blu-ray]
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メイキング・オブ・ブレードランナーファイナル・カット
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