2007年7月14日土曜日

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

(Harry Potter and the Order of the Phoenix)

 第三作『アズカバンの囚人』までは「読んでから観ていた」のですが、ついて行けなくなりました。一応、原作小説は静山社のソフトカバー版で揃えるつもりなので、いずれ読みたいが……。本は積まれていく一方かなあ。

 とうとう第五作まで来ました。
 前作あたりから原作者ローリングさんはあんまり映画製作には口出ししなくなったのか、映画の方は監督自身の作風が反映されてきたみたいです。ローリングさんもその方が良いと悟ったのでしょうか。慣れてきたのかな。
 無理矢理、原作通りにやらせて二時間半越の映画にされるのは辛い。それでも今回も二時間越え(138分)ですが。
 今作の監督はデヴィッド・イェーツ。英国アカデミー賞受賞監督という、それなりの経歴をお持ちだそうですが、すいません、観たこと無いです(汗)。
 前作でとうとう闇の帝王が復活してしまい、ホグワーツの生徒にも犠牲者が出るという最悪の事態で幕を下ろしてしまったことを受けて、物語のトーンも随分と暗くなってきましたよ。

 そしてハリー達も五年生か。年齢的には一五歳から一六歳といったところですか。
 エマたんも一六歳か。子役の成長とは早いのう。
 しかしそれ以上に、共演している同級生達の変わりっ振りがスゴい。冒頭、登場したダドリーの変貌ぶりに唖然としましたが(ジャンアン化している)、ネビルくんがハリーよりも背が高くなっている! しかも今回はネビルくんがさりげなく活躍してくれるし。頑張れネビル。

 物語も次第に舞台となる場所がホグワーツ周辺から外へ広がってきたようです。
 いきなり吸魂鬼が住宅地に出現したり、堂々と外の世界で魔法を行使する場面も多くなってきました。特にハリー達がテムズ川上空を箒に乗って編隊飛行するシーンがなかなか。

 しかし自分の身に危機が迫ってきているというのに、どうにも蚊帳の外状態というのがもどかしいですね。「不死鳥騎士団」本部での大人達の会話から事態の推移を想像するしかない。
 騎士団の皆はズバーっと真実を告げてやれ。周りは皆、知っているのに教えてもらえないハリーが可哀想です。気を遣われるのも善し悪しですな。

 新学期が始まるが、新聞で叩かれ、親しい友達以外は皆、去っていくという図が哀しい。前作でガールフレンドが出来たと思ったら、もうよそよそしくなっちゃうし。
 代わって登場するのが、新キャラのルーニーちゃん(イバナ・リンチ)。
 おお、不思議ちゃんだッ。素晴らしい。学園ものに必要不可欠なキャラですね。ローリング先生、よく判っていらっしゃる(笑)。

 「読まずに観る」ようになってから予備知識なしで観ておりますが、今回はホグワーツ魔法学院が〈ねらわれた学園〉化したので笑ってしまいました。
 ダンブルドア校長先生が解任され、学園の運営方針が一変し、生徒を規則で縛り付け、学園内に「親衛隊」が結成されて密告が奨励されるという。なんじゃこりゃ(笑)。
 学園支配を目論むアンブリッジ先生(イメルダ・ストートン)がピンク一色なオバチャンなのが印象的です。見た目はフツーなのに、やることはエゲツないなあ。

 で、優等生のハーマイオニーちゃんが率先して規則を破り始めるという(笑)。
 物語はだんだん「楽しい学園生活」よりも「因縁の対決」の方にシフトしてきたので、ホグワーツの描写が少なくなり、初めてクイディッチ競技の場面がなくなってしまいました。
 多分、原作小説では学園生活の描写も盛り込まれているので、上下巻という児童文学にあるまじき分厚さになっているのでしょうが、さすがに映画では前後編に出来ないのでばっさりカットしたらしい。多分、それは正解なのだろうけど、なんかやっぱり端折られ感が漂ってマスね。
 どうせならハリーの初恋話とか一切無くてもいいのに。それはカットしてはならぬのか。初キス・シーンですし(笑)。
 どうにも学園内の描写とか、中途半端なのが気になる。やはり読まないと判らないのか。

 一方で、アズカバン監獄からの大量脱獄事件が発生。いよいよ闇の勢力が勢いを増してきましたよ。シリーズも後半になって、どんどん新キャラ投入ですね。このシリーズ、やたらキャラクターの数が多いわ。名前を覚えるだけで大変だ。名前を覚えても顔と一致しない人も沢山いるし。だんだん誰が誰やら判らなくなってきましたよ。
 そんな中で、強烈なのがヘレン・ボナム・カーター。悪の魔女、ベラトリックス役。この人は、どうしてこんなにも魔女の役がハマるのかなあ(笑)。

 クライマックスの魔法省での戦闘シーンがど派手デス。ハリー達もとうとう大人達の戦いに巻き込まれる。善戦する生徒達であるが、やはりまだ実力が伴わないのが哀しい。
 何せハリーは題名の「不死鳥騎士団」のメンバーじゃないし、悪の魔法使い達と騎士団員の戦いではすっかり除け者扱いである。子供の出る幕じゃない、というのが厳しいですな。
 ルシウスに追い詰められたところへ、シリウスら騎士団員が救援に駆けつけるのであるが……。
 はて、どうして騎士団にはハリー達のピンチが判ったのであろうか。
 やっぱり、スネイプ先生が知らせてくれたのであろうか。その辺の説明が無いので、あとから考えるとイマイチ釈然としないのデスが……。

 一緒に戦いながらハリーのことを死んだ父親の名前で呼んでしまうシリウスがいい。さりげなく親友だったことを思い出させてくれます。あれ、でもシリウス、やられちゃったのか。そんなぁ。

 ともあれ、遂にヴォルデモート卿とダンブルドア校長の対決に至り、最後はハリーの身体を乗っ取ろうとするヴォルデモートとの戦いに。ラドクリフくんの一人芝居が真に迫ってます。ハリーが助かったのはスネイプ先生直伝の閉心術のおかげデスね。
 やっぱりスネイプ先生、いいひとなんじゃ……。

 今回はまだまだ前哨戦というところで、敵の方から退いてくれた感があります。今後は戦いの方も熾烈になっていくのでしょうか。ますます学園ドラマから遠のいていくような。
 そして次第に存在感を増していくネビルくんですが、ベラトリックスとの因縁が語られたりするあたり、いつか必ず御両親の敵を討ってくれることでしょう(伏線だと信じているぞ)。

 とりあえず今回の収穫は新キャラのルーニーちゃんと、チラッと明かされたスネイプ先生の哀しい過去でしょう。
 この、戦いとは別に「学校でのイジメ問題」がサラリと語られるという展開が興味深い。スネイプ先生に陰湿なイジメを行っていたのが、父ジェームズと敬愛するシリウスという、ちょっとショッキングな事実は、もう少しクローズアップされないのであろうか。
 これは子供にとっては結構、大きな出来事だと思うのですが。
 かつて虐められて心に傷を負ったスネイプ先生と対照的なのが、現在進行形で虐められているルーニーちゃんですね。特にラストの、虐められているのに誰も恨まないという彼女の態度が、暗い展開に一筋の光明を見る思いです。
 なんていい娘なんだ、ルーニー。

 しかし、あの「予言の玉」にはどんな意味があったのですかね。あれを手に入れたところで、なんか戦いに有利になるとも思えぬのですが。原作小説を読めば判るのかなあ。



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