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2007年4月24日火曜日

クィーン

(The Queen)

 欺されてはいかん。これはドキュメンタリーじゃないんだ、フィクションなんだと自分に云い聞かせなければ、つい信じてしまう。それほどにリアルで迫真の演技でした。
 さすがヘレン・ミレンは今年のアカデミー主演女優賞を獲得しただけのことはある。
 冒頭のアップ映像が息を呑むほど威厳に溢れている。怖いくらい見事です。

 そう云えば、ヘレン・ミレンは英国のTVドラマ『エリザベス1世/愛と陰謀の王宮』では、御先祖様であるエリザベス一世を演じておりますな。うーむ。ケイト・ブランシェットと並んで女王役者か(笑)。

 1997年8月30日のダイアナ妃の事故から9月5日の葬儀までの一週間の出来事。
 もう十年前とは云え、よくこんな映画が製作できたもんだと感心しました。日本じゃ出来ないよなあ。
 実際のニュース映像がリアルさに拍車をかけています。覚えのある映像が随所に挿入されていて、懐かしい。

 新任の首相トニー・ブレア役のマイケル・シーンがなかなかいい味出してます。これはエリザベス女王とブレア首相の友情物語です。
 と云うか、労働党党首が如何にして王室擁護の急先鋒となっていくかを描いた物語でもある。新米首相など老獪な女王にかかっては赤子の手を捻るようなものですなあ(笑)。
 洗脳されてるぞトニー!

 「御存知かしら。あなたは私が任命した十人目の首相なのよ。一人目はウィンストン・チャーチルでした。小娘にとってはとても厳しい教師でしたわ」

 ──というあたりで既にブレア首相、負けてます(笑)。貫禄負けやね。

 チャールズ皇太子役のアレックス・ジェニングスのヘタレっぷりもなかなかでした(似てないけど)。
 個人的にはジェイムズ・クロムウェルがフィリップ殿下役だったのが印象的でした。主役じゃないけど、大統領とかの役をやらせると巧いですね。あと刑事ミステリーもので主人公を裏切る上司役とか(笑)。

 「公」と「私」の板挟みになる人としての女王、というのが味わい深い映画でした。
 やはりクライマックスは女王自身が献花に訪れるシーンですね。まさに十年前にニュース映像で観たとおり。美術スタッフ、いい仕事してます。

 しかしこの映画、王室寄りの映画だということで英国ではあまりウケなかったそうな。こういうのは外国の方で受けるものなのか。アカデミー賞でも作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、衣装デザイン賞、作曲賞にノミネートされるくらいですからな(その割に主演女優賞のみでしたが)。
 似たようなテーマで、アレクサンドル・ソクーロフの『太陽』も観てみたい(イッセー尾形の昭和天皇がスゴいらしい)。こっちも日本でより外国でのウケがいいらしいが。

 しかし最近はドキュメンタリー指向の映画が多い。ファンタジー映画の次くらいに多いのではないか。
 今年の主演女優賞が『クィーン』で、主演男優賞は『ラストキング・オブ・スコットランド』だと云うのが興味深い。両方とも観たかったが、後者はアッという間に公開が終わってしまった。
 せっかく『食人大統領アミン』が25年ぶりにリメイクされたと云うのに(ソレ違ウ)。


●余談
 「クィーン」と云うと、あの有名ロックバンドですが、フレディ・マーキュリーの自伝映画は作られないのか。
 多分、そのうち間違いなく作られるでしょうが(笑)。



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