2011年8月9日火曜日

海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE

空飛ぶ幽霊船

 近頃の東映は、子供より親の方を劇場に呼ぼうとしているかのようだ。ムスメ共がアニメと特撮が大好きになってくれたおかげで、パパは誰憚ることなく、大手を振って観に行けるワケですが(笑)。

 それにしても、サブタイトルが『空飛ぶゆうれい船』とな。うーむ。
 しかし期待していたような内容では無かったな。

 ザンギャックが「中毒性のある怪しいジュース」をバラまくこともなく……。
 バスコが巨大ロボ「ゴーレムくん」で街を破壊することもなく……。
 治安出動した自衛隊の戦車が、街中で発砲することもなく……。
 幽霊船の船長が、マーベラスの「死んだ筈の実の父」であることもない……。

 なんだよう。最後の「マーベラスの父」ネタだけはちょっと期待したのに。
 せっかくロスダーク船長の声は内海賢治だと云うのに(納谷悟郎でないとイカンのか)。
 まぁ、劇場版と云いつつ『仮面ライダーオーズ』との併映ですから、上映時間も短い。通常のエピソード一回分の尺しかありませんが。

 一天にわかに掻き曇り、まったくもって唐突に出現する巨大な空飛ぶ幽霊船。デザインは凄みが効いていてよろしいのですが。
 早速、出動した伊狩鎧ことゴーカイシルバーであったが、幽霊船から現れたゴーカイオーにそっくりな巨大ロボにボコボコにされてしまう。
 なんとまあ、ゴーカイシルバーの出番はこの冒頭部分のみ。前座の雑魚扱いである。今回はゴーカイジャーのメンバーと一緒に映っている場面は、最後のラストシーンしかない。本筋のドラマに出番が無いとは、ちょっと可哀想なのでは。

 鎧からの通報を受け、ゴーカイジャーの面々は幽霊船を探し始める。この幽霊船は伝説の「ゴッドアイ」なる宝玉を積んでいるとされ、そのアイテムを手にする者はどんな望みでも叶えられるという(一回限り)。
 かくしてゴーカイジャーとザンギャックの双方が幽霊船の宝玉をめぐって争奪戦を繰り広げる……のかと思いきや、ザンギャック側はあっという間にリタイヤ。早い。早すぎる。
 今回はもう、幽霊船とゴーカイジャーの物語なので、ザンギャック側の出番も少ない。
 ワルズギル皇子にもうちょっと出番があってもいいのに。
 特に「宝玉に願いをかけて地球征服」という安直な態度をダマラス参謀長にたしなめられる下りがいい。この地球征服艦隊は皇子の教育も兼ねているのですね。

 「殿下、そのような安易なお考えでは……」
 「うるさい、うるさいッ。どんな手段を使おうと征服は征服だぁッ」

 造形はカッコいいのに、このお子様な態度が素敵です。野島裕史さん素晴らしい(笑)。

 実は幽霊船には、過去のスーパー戦隊に敗れ去った「悪の精鋭(自称)」達の魂が集められていたのであった。
 ロスダーク船長の奸計に陥り、霊界に墜とされるゴーカイジャー。そこに襲いかかる、かつての戦闘員やら怪人やら……。

 それにしても敵味方合わせて豪華な声優さんのキャストですこと。並のアニメ番組でもこうはいかん。
 レギュラーだけでも関智一、田村ゆかり、井上喜久子、野島裕史、石井康嗣、進藤学と揃っているのに、この上、ゲストが内海賢二、永井一郎、中尾隆聖、ささきいさお、堀江美都子……。いや、凄い。
 パパ世代に馴染みがありまくりのベテラン揃いではないか。

 特に永井一郎。三十五年ぶりに野球仮面の役である。当時とまったくお変わりなく演じておられる。懐かしいなんてもんじゃありませんよ。素晴らしいデスね。
 まぁ、永井一郎先生は近年も『獣拳戦隊ゲキレンジャー』にマスター役で出演しておられましたから、お変わりないのは存じておりますが、それにしても野球仮面とは。
 思えば、あの野球仮面あたりから『秘密戦隊ゴレンジャー』はコメディ路線に転じていったのだった。
 ──なんて、感慨は小さなお友達には判るまい。判るまいが……果たしてソレでいいのだろうか。
 まぁ、うちのムスメ共は単純に、あの野球仮面の造形自体を面白がっていたので、それはソレでいいのかも知れません。

 野球仮面との野球対決では、逢沢りな(ゴーオンイエロー)、杉本有美(ゴーオンシルバー)、及川奈央(ケガレシア様)のチアガール・ユニットまで繰り出すサービスの良さ。尺は短いが、投入するネタの数々は豪華ですな。
 再び敗れ去る野球仮面ですが、どう見てもチアガールに悩殺されたようにしか見えん。それでいいのデスか、野球仮面のオジサマ。ベタなギャグだがお子様には受けていました。

 コメディ勝負は野球仮面、シリアス勝負はエージェント・アブレラに分けた展開ですが、私は『特捜戦隊デカレンジャー』にはあまり思い入れはない。何となくここでもブレドランが登場するかなぁと期待していたのですが、それは無かった。残念。

 このまま霊界に閉じ込められる前にマーベラスだけでも脱出を、と仲間四人の協力で一人だけ脱出に成功するマーベラス。霊界で戦い続ける仲間達と平行して、幽霊船のブリッジでロスダーク船長と剣を交えるマーベラス。
 短いシーンですが、なかなかチャンバラとしても面白い。カッコいい殺陣を見せようというスタッフの意気込みが感じられます。『パイレーツ・オブ・カリビアン』に負けるな──でも予算のケタが違うのがちょっと哀しい。

 結局、チャンバラに負けて、頭脳プレイで「ゴッドアイ」を奪取したマーベラス。かなえられる願い事はひとつだけ。
 そこで「俺の仲間を元に戻せ!」と願をかけ、四人を無事に救出するも、使用済みになった宝玉は石コロに。
 「大いなる力」の探索は、これまで通り仲間達と続けていけばいい──と、美しい友情が描かれるワケですが、これで納まらないのがロスダーク船長。
 「ゴッドアイ」は生者の願いしか受け付けてくれない。自身も幽霊であるロスダークは長年、幽霊船で生命エネルギーを蒐集し、もう少しで復活できるまでになっていたのに、目標達成を目前にして、マーベラスに先を越されてしまったのであるから怒り心頭。

 遂に巨大ロボを持ち出しロボ戦に突入する。
 もう巨大ロボで『パイレーツ・オブ・カリビアン』を再現するが如く、巨大な幽霊船のマストの上で大激突。
 しかしロスダークの巨大ロボが何故、ゴーカイオーに激似であるのかという理由は遂に明かされることはなかった。いいのかそれで。
 まぁ、海賊のロボットは皆、似たようなデザインなのか。深い意味は無いのか、尺が足りなかったのか(笑)。

 とりあえず敵を倒し、仲間との絆を確認し合うゴーカイジャー……なのですが、忘れ去られていた伊狩くんの立場は。最後の最後でやっと合流して六人揃いますが、取って付けた感は否めませんねえ。負けるなゴーカイシルバー。




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