2011年5月22日日曜日

はやぶさ

(HAYABUSA : Back to the Earth)

 今や「日本人に最も愛された探査機」と云っても過言ではない、はやぶさのドキュメンタリ映画デス。
 2009年製作の、プラネタリウムで公開された作品の平面版であるそうな。
 だから今回は帰還シーンの最新映像が追加された「帰還バージョン」になっています。まぁ、追加シーンと云っても、ちょっとだけなんですけどね。上映時間も46分と短いし。
 今回は「地球帰還一周年記念」上映なのだそうです(笑)。
 こんな作品を上映してくれるとは。ワーナー・マイカルよ、ありがとう。
 全編にわたって緻密な映像が見事でした。

 そうか。2010年6月13日だったか。
 もう「はやぶさの日」とか云って祝日にしてしまえばいいのに。

 ドキュメンタリと云いつつも実写映像はほとんどありません。
 そりゃ小惑星探査機を追いかけて撮影なんか出来ませんから。必然的にCG映画にならざるを得ませんが、科学的に正確な描写になっているようです。
 しかし科学的には正確なのでしょうが、いかんせんナレーションで詳細に解説したりしないので、よく判らない部分が無きにしも非ず。

 例えば、出発早々、四基のイオンエンジンのうち、一基が作動していないという描写がある。最初から出力不安定な為に運転を停止していたのだが、そこまでは説明してはくれないので、何故にエンジンがひとつ止まっているのか、素人には判りません。
 他にも、観測史上最大規模の太陽フレアの直撃を受けたこともスルー。
 やはり尺が短いから、行程の初めのあたりはカットせざるを得ないのか。
 まあ、細かい不具合なんぞ、いちいち数え上げていけばキリが無いくらい、はやぶさの旅は過酷で、困難な上にも困難を極めたということなんでしょうが。

 私も、地球帰還が確実になってから気にし始めた「にわかファン」の一人に過ぎませんから、まったく偉そうなことは云えぬのですが(汗)。

 だからこそ気になる部分もある。全然、科学的ではないのですが。
 篠田三郎のナレーションがね……。
 はやぶさのことを「彼」と呼ぶのが一番、気になりました(爆)。

 擬人化するなら「彼女」と云ってもらいたいッ。
 どうもJAXA(宇宙航空研究開発機構)の方針では、衛星や探査機は男性扱いだというのが……。
 うーむ。こちとら『現代萌衛星図鑑』を読んで以来、女の子だというイメージが強すぎて……。
 そうだ。ナレーターを男性にするなら「はやぶさの声」と云うか、「はやぶさの中の人」にも配役して(女性声優に限る)、探査機の気持ちを代弁してもらうような演出にすればいいのでは。
 いや、ソレはもうドキュメンタリじゃないから(大汗)。

 しかし「はやぶさの中の人」という表現も、あながち間違いでは無さそうな説明もあります。なんせ探査機と呼ぶよりも、一種のロボットに近いというのだから。自律制御による判断が可能な機構を備えていれば、そりゃロボットだろう。
 「ロボッ娘」と云うべきか。
 さすがは日本のメカである。

 太陽系の起源、イトカワを目指す理由、といった説明は勿論ですが、やはり地球スイングバイの解説場面は萌える──じゃなくて、燃えるッ。
 この正確無比な軌道投入を見よ。

 そしてイトカワに接近してからが本題。CGで、小惑星の断面まで見せてくれます(想像図でしょうが)。
 リアクション・ホイールも故障しまくりで、イオンエンジンとの併用で姿勢制御を行う離れ業。しかし最初のタッチダウンには失敗し、二回目で何とか成功。
 そして交信途絶。

 このあたりから、やっぱりウルウルしてしまう。
 いい歳して、ドキュメンタリで涙目になってしまうとは不覚ですわ。昨年の帰還時にもウルウルが止まらなかったし。もう条件反射になってしまったのか。

 やっぱりヤマト世代ですから。
 「必ずここに帰ってくる」とか云われると、もうイカンですね。

 ──そう。最終目的地はイトカワではなく、地球なのです。

 くそ。篠田三郎のナレーションが私を泣かせようとするんデス。あうう。

 満身創痍になりつつ地球を目指して飛び続けるはやぶさ。機体はもう汚れ放題。この描写は正確なんですかね。やはり小惑星の表面でコケているから、こんなに汚れてしまうのか。

 そしてこのあたりからが追加映像になるのでしょうが、更に泣ける。
 帰還カプセルの放出。次いで回頭。ボディのカメラレンズに地球が映り込むという演出。
 ああ、CGだと判っているのに。
 そのあとの大気圏突入シーンでは、何人が涙を堪えることが出来るのか。使命を果たして四散する機体。燃え尽きていく光点の中で、カプセルだけが飛び続けていく。
 そしてカプセルの着地。

 「オカエリナサイ」という他はない。七年間、よく頑張りました。
 やっぱり劇場内で誰か洟をすすっていたぞ。俺もか。

 エンドクレジットでは上坂浩光監督自身の作詞による「宙へ」が流れます。なかなか感動的な歌なのですが……。
 個人的にはネットで評判になった、あの初音ミクが歌う「はやぶさ」を流してもらいたかった(バラード・アレンジで)。仕方ないので、そこは個人的に脳内補完。
 ラストはやはり、あの地球を映した「最後の画像」。

 地球か……。何もかも皆、懐かしい。うーむ。やっぱり云うよね。

 ところで、このドキュメンタリとは別に『はやぶさ』という映画が製作中だそうな。ちゃんとJAXAの神奈川県相模原キャンパスでロケとかしているそうですが……。
 監督が堤幸彦で、西田敏行と竹内結子が出演とな。今秋公開予定。
 滅茶苦茶、不安なんですけど。大丈夫なのだろうか。


NHK-DVD 小惑星探査機“はやぶさ”の軌跡
おかえりなさい、はやぶさ [DVD]

現代萌衛星図鑑

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