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2010年9月29日水曜日

十三人の刺客

 

 当たり外れのある三池監督作品なので如何なものかと心配でしたが──特に今年は『ゼブラーマン2』なんてあったし──割と当たりの部類に属する。
 オリジナル版より勝っている箇所もあるが、及ばなかった箇所もあり、一長一短ですなあ。スコアを付ければ勝ち越しではあるか。

 冒頭から、時代劇としてかなり濃い画面作りになっているのは嬉しい。事の発端を説明する箇所が、ほとんどホラー仕立てなのが私の好みです。さすが PG12。まぁ、ちょっとヤリスギ感も漂いますが。
 綿密な計画立案と腹のさぐり合いもいい感じ。役所広司も片岡千恵蔵に匹敵するか──と思ったのですが。

 三味線、弾かなかったなあ(笑)。

 監督の感性によるのでしょうが、やたらバイオレンス偏重のクライマックスは如何なものか。もうちょいトラップの発動を見せてもらいたかった。
 あの「みなごろし」の宣言は巧い使い方で、凄みがあったのだが……。

 今回の島田新左衛門はあまりにも思い切りが良すぎで、まだ百人以上敵が残っているのに「ここからは小細工なしだ。斬って斬って斬りまくれ!」てのは……。
 キャラの描写がオリジナル版ともども弱くて、やはり味方だけで13人。敵や周辺のキャラまで含めて20人近いありさまでは、顔と名前が一致しないまま斬られていく人が多くて困りました。
 唯一、稲垣吾郎をバカ殿様役に抜擢したセンスだけは文句なし。ここだけはすばらしい。
 逆に松方弘樹のキャスティングは……。松方弘樹が時代劇に出ると、それだけで無敵に見えるのでもうちょっと考えて配役してもらいたかった。

 それにつけても、残念な暴れ牛でした。CG丸出し(泣)。




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