2009年4月1日水曜日

ウォッチメン

(WATCHMEN)

アメコミで唯一、ヒューゴー賞(88年・特別賞)を受賞した作品というのは伊達ではない。コミックスと云うよりも、たまたま小説に絵が付いているだけ、というのが正しい。
ハードかつ緻密な世界とビジョン。読むだけでも一苦労でしたが、映画化への道も長かった。ついでに出来上がった映画自体も長かった(165分)。

順番として、私は観てから読んだのですが、これほど忠実に映像化できたことが奇蹟のようです。テリー・ギリアムやポール・グリーングラスなんかも監督候補だったそうですが、ザック・スナイダーになって正解と云うべきでしょう。
テリー・ギリアム版の『ウォッチメン』もちょっと観たかったけどね。でも只でさえ政治的な物語に、監督自身の政治的メッセージが入ると、あまりいいこと無いか。これをオリバー・ストーンなんかに監督させたら、一体どうなっていたのだろう。
きっと無茶苦茶ベトナム戦争に入れ込んだ物語になっていたような(笑)。

アラン・ムーア原作作品の映像化の中では、多分、一番忠実だったのではないかな。『Vフォー・ヴェンデッタ』もかなりいい線いってましたが。
サイテーなのが『リーグ・オブ・レジェンド』であるのは云うまでもない。

どこまで忠実に映像化しているかというと、メイン・キャラであるDr.マンハッタンにボカシを一切かけなかったという(爆)点を評価したい。
なんせDr.マンハッタンは基本的に全裸ですから。
蒼く輝く中年男性のフリチン姿がすんなりスクリーンに上映されるとは、素晴らしい時代ですな(笑)。原作もその通りですし。

何故にDr.マンハッタンが全裸なのかという点も、非常に論理的なだけに、ここを変更したら原作への重大な冒涜になると云うくらい重要な肝なのです。

あとビジュアル面では、もう一人の重要キャラであるロールシャッハも素晴らしい。あのグニグニ動くマスクの染み模様がいい感じ。

ところでこのロールシャッハ役の俳優はジャッキー・アール・ヘイリー。
パンフレットのプロフィールを読んでタマゲました。
子役として俳優デビューしたはいいが、13年間のキャリア停滞期に陥り、06年に大復活を遂げ、一昨年のオスカー助演男優賞にノミネートされるまでになった。
子役時代の代表作は『がんばれ! ベアーズ』……ですと?

ロールシャッハ、お前、ケリーだったのかッ?

ジャッキー・アール・ヘイリーの次回作は、リメイク版『エルム街の悪夢』のフレディ役だそうな。うーむ。そういうことなら応援するぜ、ケリー。


しかし忠実に映像化とは云うが、165分も費やしてなおカットされた部分が沢山あるので、出来れば鑑賞後は原作を読んで補完することをお薦めします。
多分、先に読んでおくよりも理解度は早くなると思います。

特に、Dr.マンハッタンとオジマンディアスの関係が、映画ではイマイチ不明確だったような気がする。ウォッチメンのメンバーの中で、〈超人〉の名に値するのはこの二人だけなのですが(笑)。
「完全に人間を超越してしまった男」と「人類進化の頂点に立つ男」の関係はなかなか映像化できないか。設定上は凄い人なのですが、濃いキャラばかりの中ではオジマンディアスの影が一番薄かったような……。シルク・スペクターなんかどーでもいいから。

今年観た作品の中では一、二を争う傑作と申せましょう。


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