劇場版製作の企画は流れたのかと思っていましたが、ちゃんと出来たのね。しかしこの劇場版、DVDリリースの三ヶ月前にこっそりミニシアター系でのみ上映というのが……。
少し待てば夏にはDVDになるのに……。だが、待てん。
で、観てきました。
こりゃまた随分と変えてしまったものだとビックリ。
もうキャラの名前が一緒なだけで、全然違う物語ですな。
TVシリーズでの謎めいた設定がすべて公然のものとなっているので、ミステリアスだった部分はばっさり切り捨てられています。なんせ二時間弱で世界を救わねばならないのだから、謎解きなんてしていたら尺が足りない(笑)。
キャラクター同士の関係も、もう最初から知り合い、恋人、幼馴染み。しかも全員、最初からラブラブ状態(爆)。
レントンとエウレカだけではなく、どのカップルもみんなそうなのが笑える。
うーむ。おかしい。
地球の危機なのに。異星生命体の侵攻に圧倒された人類が、最後の反攻作戦を決行する前夜だというのに。地球環境が壊滅的な打撃を受けて、一握りの人類だけしか生き残れないという絶望的状況だというのに。
もう残酷で無慈悲な世界に対抗するかの如く、どのカップルもラブラブ。垂れ流される極甘スウィートなストロベリー・トークの乱れ撃ち。
「大好きだ、エウレカぁ」
「あたしも大好き。レントン!」
「ドミニク、やっと逢えたのね!」
「これからはずっと一緒だ、アネモネ!」
「あんたの望みって何なのよ、ホランド」
「……云ったろう、タルホ。お前がいる世界が、俺の望みだ」
この世界には「失恋」という言葉は存在しないらしい(笑)。
とりあえず劇場版では、この三組のカップルが軸となって物語が進行するのですが、どうせなら〈ムーンドギー&ギジェット〉、〈チャールズ&レイ〉、〈ノルブ&サクヤ〉なんかも出して観客を悶絶させてしまっても良かったのではないか。
『天元突破グレンラガン』とはまた別の意味で、「熱い映画」でした。もう観ている側の顔が赤くなっちゃうよ。
おかげで〈漢・ユルゲンス艦長〉の出番がほとんどない。なんでやねんッ!
真紅の〈スーパー・イズモ号〉は……ああ、出てこないよう(泣)。
そう云えばデューイの出番も無かったなあ。
全体として、TVシリーズのエッセンスのみ取り出して凝縮したので、何となくシュールで寓話的な展開になってしまいました。これはファンタジー……と云えるのか。寓話なので詳しい説明はない。うーむ、どう解釈すればいいのだ。
TVシリーズの最終話が、#50「星に願いを」であるとおり、TVシリーズのモチーフは『ピノキオ』でした。
「人間になりたかった少女が、少年と出会い、恋をして最後には人間になる」──うーむ、気がつかなかった(汗)。
劇場版では、今度は『ピーターパン』である。レントンとエウレカが、ピーターとウェンディという構図。まぁ、TVシリーズの頃からレントンは「あい・きゃん・ふらーいッ」と云っておりましたからな(笑)。
実はTVシリーズと劇場版の間に、イベントでのみ上演された特別編、#51「ニュー・オーダー」というのがある。こちらのモチーフは『幸せの王子』だそうな。
京田監督はどうも御伽噺をモチーフにするのがお好きなようだ。
この #51「ニュー・オーダー」は『エウレカ』のDVD-BOXの特典映像として収録されている……。うーむ。
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