2009年2月1日日曜日

装甲騎兵ボトムズ

ペールゼン・ファイルズ

OVAでは全12話──だそうですが、さっぱり観ておりません。
とりあえず、この劇場版を観ておけば何とかなるか(笑)。
高橋良輔監督によると、脚本は6対4の割合で、吉川惣司(メイン)と五武冬史(サブ)。劇場版は、この吉川惣司脚本部分のみ抽出した本筋のみのプロットのようです。
全体のバランスとしては、一本の劇場版にキチンとまとまった体裁ではありました。つまりOVAの方が結構、水増しされていたと云うことなのか……。

でも物語としては、実は『野望のルーツ』の続編なんですけどね。だからこの劇場版だけ観ても多分、世界設定等は理解出来ないでしょう。そんな奴はいないか(笑)。

第三次サンサ戦のあとのレッド・ショルダー部隊解体後の物語。
ここから百年戦争終戦が決定するまでの時期、と云うからTVシリーズの直前あたりまでがカバーされています。

もう『ボトムズ』は前日譚しか描けないのだろうか。
シリーズ完結後は袋小路状態なので、続けられないのかなあ。個人的には『赫奕たる異端』のあとが知りたいのですが。高橋良輔が小説として書いているそうですが、単行本にはなっていないし……。

ともあれ、主人公が「絶対死なない」と保証されている以上、どうやっても面白くならないのではないか。
と、思ったら、そうでもなかった。

映画のポスターにあるキャッチ・コピーが「俺たちは、死なない!」。
うーむ。キリコが〈異能生存体〉であることは知っていたが、「俺たち」って何よ。
今回はキリコ以外にも〈異能者〉がいるらしい、というあたりから始まり、「〈異能者〉だけによる小隊」と云う、ある意味、レッドショルダー部隊より始末に悪いチームが出来てしまいました(笑)。
色々、考えるわねえ。
さすが吉川惣司。

まぁ、結末はあのとおりだし、TVシリーズには登場してこない連中なので、末路は推して知るべしなのですが……。
それにしても、〈異能生存体〉をクローズ・アップしすぎると、TVシリーズと辻褄が合わなくなるのですがねえ。キリコは自分が〈異能生存体〉だと信じてはいないのかも知れないが……。

まぁ、笑ったのはロッチナの変わり身の巧さですね。
TVシリーズでもギルガメス軍からバララント軍に転籍し、更にOVAではマーティアル教団に潜り込んでいたり、キリコより余程、〈異能生存体〉なのではないかと突っ込みたくなるのですが(笑)。
今回は、そのロッチナのギルガメス軍以前の経歴が明らかになる訳ですが、的確に勝ち馬を見抜いて躊躇うことなく乗り換えてしまう技能は素晴らしいです。
最初、「ルスケ」と妙な名前で呼ばれていたのですが、最後に名前を変えて別人になるという──キリコより、こちらの方の展開が興味深かった(笑)──荒技を見せてくれました。あれが「ロッチナ」誕生の瞬間だったのですね。

以後、ロッチナは生涯をかけて──最初はペールゼンに追従し、ペールゼンの死後はこれを引き継いで──〈異能生存体〉キリコを追い続けていくわけですが、キリコを追うよりも自分を観察した方が早いような。

とりあえずTVシリーズでは関係者全員、実は〈異能生存体〉という言葉は知っていたが、黙っていたのだよと云う「釈然としない設定」が出来てしまいましたが(笑)。

世界設定の他では、ヴィジュアル的にも知恵を絞って観客を飽きさせない展開を見せてくれたのが嬉しいですね。
TVシリーズでも、市街戦、密林戦、宇宙戦、砂漠戦と様々な状況を見せてくれましたが、今回は雪上戦まで出してくれたか。ミリタリー・ファンには堪らんのでしょうなあ。

そしてクライマックスの惑星モナド攻略戦。
オールド・ファンには「ああ、ここもアストラウス銀河古代文明の名残か」と一見して判るデザイン。でもって、さりげなく超越者ワイズマンの監視の目が光っているような描写にニヤリとします。
多分、ここでニヤリと出来ない観客はいないだろうから、あの瞬間は劇場内にいた野郎ども全員がニヤリとしていたのでしょう。想像したくない光景だ。

他にも、明らかにザキは、後のイプシロンに繋がるPSの原型であることがバレバレなキャラクターであったりとか、本編とのリンクが色々あるのが楽しい映画でした。
でもエンディングのフィアナのアップは不要だよなあ。
ああ、この時点では「フィアナ」ではなくて、ただの「素体」ですが(笑)。


ところで『ボトムズ』はどこまで続くのであろうか。
個人的には『赫奕たる異端』の続きが知りたいのですが……。もう終わればいいのに、と思う反面、また製作されたら観てしまうのだろうなあと云う諦めもあったりして、複雑ですわ。


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